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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (188)

  • [書評]仮面ライダーファイズ正伝-異形の花々-(井上敏樹): 極東ブログ

    昨晩は紅白歌合戦を見ていたが半ばでさすがに苦痛になり、読みかけの「仮面ライダーファイズ正伝-異形の花々-(井上敏樹)」(参照)の読書にした。その間頃合いをみて桑田さんの歌だけは聞いたが、また読書に戻る。読み終えてぼうっとすると年が明けた。こんな年末年始があってもよいだろう。 話はタイトル通り仮面ライダーファイズなのだが、2003年から2004年にかけて放映されていたテレビ版のノベライズではない。映画版のそれでもない。新規の書き起こしであり、「正伝」と銘打っている。普通だと「これが正しい物語」ということだが、結論からいうと、そうとは言い切れない。勇んで言うと仮面ライダーキバに至る伏線的な物語であった。 情けないことだがハンドル名に反して私はそれほど仮面ライダーのファンではない。旧版はほとんど見ていない。わけあって仮面ライダーJなどいくつか後年ビデオで見たが、普通に見るようになったのは平成版に

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    RanTairyu 2011/01/02
  • [書評]ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡(シルヴィア・ナサー): 極東ブログ

    ゲーム理論を実質完成させた天才数学者ジョン・ナッシュの数奇な生涯を描いた「ビューティフル・マインド」といえば、ロン・ハワード監督ラッセル・クロウ主演の、美しく感動的な映画(参照)が有名で、書「ビューティフル・マインド 天才数学者の絶望と奇跡(シルヴィア・ナサー)」(参照)はその原作とも思われがちだ。私もそのクチで映画は見たものの、書籍のほうは読もうと思って忘れていた。ナッシュの生涯については他書などで自分は知っているつもりでいたせいもある。 この夏、書名からも関連性がわかるが、トム・ジーグフリード著「もっとも美しい数学 ゲーム理論」(参照)について書く機会があり、そういえばとナッシュの評伝である書を読み始めた。読みづらいではないし、訳文もこなれているのだが、とにかく内容が濃く、しかも600ページ近い大著でもあり、読書には手間が掛かった。 いや違う。すらすらと読んではいけない書籍なのだ

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    RanTairyu 2010/11/27
  • [書評]ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である(いしたにまさき): 極東ブログ

    「みたいもん!」(参照)のいしたにまさきさんが、ブログとツイッターをやっている、著名ブロガー、ネット文化のわかる文化人、ネットで著名なエンジニアWebサービス運営者、そしてそれに収まらない人110名へのアンケートをもとに、なんでこの人たち、ブログとかツイッターの活動しているのか?という秘密に迫る書籍を出した。 そして、「ねえ、きみたちぃ、ネットで儲けてんじゃなあい?」という素直な問いにも迫っている。そのあたりにも書の独特の面白さもある。 アンケートはこんな感じ。 いちばん好きなWebサービスは何? これまで一番衝撃を受けたWebサービスは何? ネットで情報発信する際にいちばん必要なスキルとは? ネットで発信する際に心がけていることは? 収入面での変化はあった? それはネットをはじめて何年ったってから? ブログのアクセス数を増やす努力はしている? ツイッターフォロワー数を増やす努力はして

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    RanTairyu 2010/11/23
  • 民主党政権下で日本の武器輸出三原則が終わるだろう: 極東ブログ

    歴史の皮肉と言えるかもしれないが、民主党政権下で日の武器輸出三原則が終わることになるだろう。背景は世界情勢の変化、特に北大西洋条約機構(NATO)の変化が大きい。 19日から2日間にわたりリスボンで開催された、加盟国28か国北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議の注目点は、グルジア戦争以降冷えこんでいたNATOロシアの関係が今回、ロシア側から大きく協調性が示されたことだった。2点ある。 2点目から先にすると、ロシアがアフガニスタン戦争により協調的な支援の立場を明確にしたことだ。ロシア側の輸送手段などもより活発に利用されることになる。アフガニスタン戦争の泥沼化に悩むNATO側としても、また軍事費を削減せざるをえない加盟国の実情からも、援助となるロシアの態度は好ましいものになる。 逆に見れば、ロシアの行為に甘えてNATOが軍事費削減に進むことでロシアがまた硬直化したときの脅威が高まると警告

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    RanTairyu 2010/11/21
  • 財政再建か、安全保障か: 極東ブログ

    直面する課題は、財政再建か、それとも安全保障か。問われているのは、日ではなく英国である。こうした問題設定は日ではむずかしいので、他山の石といった話になるかわからないが、国際的な常識の部類でもあり、簡単に言及しておこう。 この話題、日での報道は皆無かと思いきや、今日付けの毎日新聞記事「英国:財政再建か、安全保障か 核兵器の更新に2.7兆円、政府のジレンマ」(参照)にあった。簡素にまとまっている。 【ロンドン笠原敏彦】英政府が核ミサイル搭載の潜水艦4隻の更新計画を巡り「壁」にぶつかっている。推定約200億ポンド(約2兆7400億円)という予算規模がネックになり、「最終決定の先送り」や「核態勢の見直し」を検討しているのだ。財政再建と安全保障のバランスをどうとるか、論議が高まっている。 英国は近く、1998年以来12年ぶりとなる「戦略防衛見直し」をまとめる予定で、核兵器にどう触れるかが注目さ

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    RanTairyu 2010/09/20
  • 多剤耐性アシネトバクターによる院内感染: 極東ブログ

    東京都板橋区の帝京大学医学部付属病院で3日、多剤耐性菌による院内感染の発表があった。多剤耐性アシネトバクターによる院内感染で9月1日までに46人が感染し、うち重篤な病気に罹っていた27人の死者があり、さらにその9人が同細菌を死亡原因とする因果関係が否定できないとのことだった。院内感染は病院側の対応でかなり防ぐことが可能であるため、発表では森田茂穂病院長らは謝罪した。 報告では、2月ごろから同細菌が検出され、4月・5月には10人の患者から検出されことから、検体を再調査したところ昨年8月を起点に感染が確認された(参照)。 同日の東京都の会見では、4・5月時点で院内感染を把握しておきながら、報告が9月2日まで遅れたことを問題視していた。東京都福祉保健局の担当者は、「きのう、板橋区保健所に報告するまで何の連絡もなかった。報告が遅れたことはたいへんに遺憾だ」と述べた(参照)。 帝京大学医学部付属病院

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    RanTairyu 2010/09/05
  • 父と子の対話ということ: 極東ブログ

    全共闘世代の父とその息子さんとの対話。その書籍化に触れた先日のエントリー「[書評]お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!(加納明弘、加納建太)」(参照)で私は、全共闘世代の父の側に共感をもった。私のメンタリティーがどちらかといえば全共闘世代に近いからである。しかし書籍の帯は、父と子が対話することに力点が置かれていた。書籍として狙ったものはそこだったのだろうし、全共闘世代の父と子の対話というのは現実には少ないからなのだろう。後書きにも、父と子が対話できるなんてうらやましいと寄せられた言葉の紹介もあった。 現在老人となる全共闘世代、広義には団塊世代が、父として子に語ってきたかと問うなら、おそらくあまりそういうことはなかったのではないか。そして日のいわゆる失われた10年に三十代半ばとなる子からも、父に青春の時代を問うということはあまりなかったのではないか。 親子だから語れない。そもそも親

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    RanTairyu 2010/09/02
  • [書評]お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!(加納明弘、加納建太): 極東ブログ

    太平洋戦争が1945年に終わり、二、三年後、ベビーブームと呼ばれるが、新しい日人が多く生まれた。その子供たちが青春を迎えた1960年代後半は、日歴史においても特異な時代となった。戦後のリアルな貧困は体験しているものの、戦争を知らずに育った多数の若者たちは、その時代、親の世代や、因習と米国に盲従する日というシステムに反抗した。 戦後世代の反抗。そう概括することはたやすい。現在からあの時代を記録のような大著にまとめることも、簡単とは言えないまでも、難しい作業とは言い難い。難しいのは、あの時代に生きて、その反抗の総括をその後の人生において成し遂げること。「お前の1960年代を、死ぬ前にしゃべっとけ!(加納明弘、加納建太)」(参照)は、その見事な達成だった。 昨今のネット時代では、1957年生まれの私なども爺扱いされ、団塊世代とごっちゃにされることがあるが、私はポスト全共闘世代で、それなり

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    RanTairyu 2010/08/28
  • [書評]王妃オリュンピアス―アレクサンドロス大王の母(森谷公俊): 極東ブログ

    ちくま新書「王妃オリュンピアス―アレクサンドロス大王の母(森谷公俊)」(参照)は書名通り、アレクサンドロス大王の母であり、フィリッポス二世の王妃オリュンピアスを描いた書籍である。 昨日のエントリで扱った「ヒストリエ」(参照)に関心のある人なら、今後の展開の指針ともなる部分も多く、かなり興味深く読むことができるだろう。この機に再読してみると、「ヒストリエ」の著者岩明均氏も書を読んで得た着想がありそうだなとすら思った。 いつの出版だったかと初版日を見ると1998年2月20日とあり、もう十年以上も経つのかと感慨深く思った。私がペラに行って現地の遺跡や博物館などを巡っているときも、遺跡調査が進行中で、従来ローマ時代に書かれた物語風のマケドニアの歴史がいろいろと書き換えられていたさなかであった。書もそうした、その時点の最新の情報を取り入れてバランスよく、そして新書らしく空想豊かに描かれていて、な

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    RanTairyu 2010/08/24
  • [書評]私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった(サラ・ウォリス、スヴェトラーナ・パーマー): 極東ブログ

    書、「私たちが子どもだったころ、世界は戦争だった」(参照)のカバーには15人の少年少女の顔写真と名前が記されている。古そうな写真だ。写りの悪い写真もあり、親しみづらい印象をもつかもしれない。しかし、書を読み終えたあと、その一人一人を自分の友だちのように身近に感じるようになる。その生命をたまらなくいとおしく思えるようになる。10代の彼らは第二次世界大戦を体験し、その戦火のなかでかけがえのない経験を記した。戦争とは何か。知識や善悪の教条を超えた答えがその手記の中にある。 手記はそれぞれを個別に扱うのではなく、ドイツ軍がポーランドへ侵攻した1939年9月1日から、日政府が降伏文書に署名した終戦の日である1945年9月2日(米国時間9月1日)までの時間軸に沿いながら、全12章で各地域に分けて配置されている。数章に渡る手記もあり、章の始めと、手記の前後にはそれぞれの背景を補うナレーション的な解

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    RanTairyu 2010/08/15
  • [書評]ロスト・シンボル(ダン・ブラウン): 極東ブログ

    読書の少し捻くれた楽しみの一つは、上手に期待を裏切られることだ。ロスト・シンボル(ダン・ブラウン)(参照)はエンタテイメントの小説だからこの程度の仕立てに違いないという期待を持って読み進めると、ぽろぽろと崩れ落ちる。予想は微妙に外れる。期待は小気味よく裏切られる。その都度、シニカルな笑いが襲う。やられた。面白いじゃないか、これ。 テーマはフリーメーソンの謎だから、これは欠かせないという一連のネタが出てくる。お約束だ。出るぞ出るぞと思っていると出てきて、きちんと肩すかし。さすがによく練られている小説だ。犯罪小説ではないが十分にミステリー仕立てにもなっていて、誰が味方で誰が敵かは話の進展で変わっていく。 実質的な主人公である全身入れ墨の怪人マラークにはもう少し深みが欲しいところだったなと下巻半ばで思っていたら、どんでん返し。追求者ラングドンも一巻の終わりかというところで思わぬ逆転。純文学だった

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    RanTairyu 2010/08/10
  • [書評]ギリシア神話の語り:ブルフィンチや斉藤洋: 極東ブログ

    団塊世代の下になる私の世代までだと、ギリシア神話といえば、トーマス・ブルフィンチ(Thomas Bulfinch)がまとめた"The Age of Fable, or Stories of Gods and Heroes"の訳が定番ではないだろうか。タイトルの直訳は「寓話の時代:神々と英雄の物語」だが、日では「ギリシア・ローマ神話」となっていた。私は中学生のとき、角川文庫のけっこう分厚いで読んだ。辞典のようにも利用できるのが便利だった。 今でもあるのかと調べると、ある。上下巻に分かれるが「完訳 ギリシア・ローマ神話」(参照上巻き・参照下巻)となっている。映画「トロイ」(参照)がきっかけで復刻したようだ。 他に岩波文庫のがあったはず。調べると、こちらも、ある。一冊にまとまった「ギリシア・ローマ神話―付インド・北欧神話 (岩波文庫)」(参照)である。 角川文庫の訳は昔と変わらず大久保博、

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    RanTairyu 2010/08/08
  • [書評]本格折り紙―入門から上級まで(前川淳): 極東ブログ

    格折り紙―入門から上級まで」(参照)という書名に「格」とあり、語感としては"authentic"もあるが、実際の内容は、総合的・包括的・体系的と言えるかもしれない。おそらくこのが現代折り紙に関するものとしてもっとも優れた書籍だろうと思う。 掲載されている作例は多いとは言えない。伝統折り紙や多面体形成のユニット折り紙についての言及はあるがその作例は少ない。現代折り紙の世界で国際的にも評価の高い「神の手」こと吉澤章(参照)についても参照はされているが特別な扱いはいない。むしろ、そうした部分をあえて除くことで、折り紙来の原理性をくっきりとさせている。 著者自身「いわば、作品の紹介を通した、折り紙の教科書です」としているが、実際に折り紙の技術と体系が理解できるように、入門編から上級編まで階梯的に説明されている。 パズルを簡単なレベルから難関レベルに進むようにも読めるし、上級作品を作るため

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    RanTairyu 2010/08/01
  • ウィキリークスによるアフガン戦争暴露文書はしょぼそう: 極東ブログ

    25日、政府や企業の内部告発を公開することで有名な「ウィキリークス」(参照)が、アフガニスタン戦争に関する米軍および米政府機密文書約9万200点中7万5000点を暴露した。これが一部ではあるが、1971年の「ペンタゴン・ペーパーズ」になぞらえて報道されている。「ペンタゴン・ペーパーズ」は、ベトナム戦争に関する米政府の機密文書で、当時ニューヨーク・タイムズに持ち込まれ暴露された。その18か月後、米政府はベトナム撤退を余儀なくされた。 今回の暴露もおそらく「ペンタゴン・ペーパーズ」のような反戦的イデオロギーの関連があるだろう。時期的に見ると、アフガン戦争の補正予算議会審議と11月の中間選挙への影響を狙ったものだろう。 今回の暴露に当たっては、ウィキリークスも兵士や関係者への危険性も配慮し、ネット公開以前にリベラルなメディアと見られるニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、シュピーゲルの3メディア

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    RanTairyu 2010/07/29
  • [書評]タングラム・パズルの本 Tangram Puzzles: 500 Tricky Shapes to Confound & Astound(Chris Crawford): 極東ブログ

    [書評]タングラム・パズルの Tangram Puzzles: 500 Tricky Shapes to Confound & Astound(Chris Crawford) 10歳くらいの子供にちょっと気の利いたプレゼントをするかなという機会があり、アート的な写真集や絵がよいだろうか、知的なパズルなんかもよいかなと、いろいろ考えて、タングラム・パズル「Tangram Puzzles: 500 Tricky Shapes to Confound & Astound(Chris Crawford)」(参照)を選んだ。日のアマゾンから購入できたのだが、現在でも「通常2~3週間以内に発送します」とあり、米国に発注するのではないだろうか。私の場合も、2週間ほどで届いた。 タングラムとはなにかだが、このの表紙を見ると、皆さん、ああ、あれかとピンとくるだろう。そうあれです。正方形を7つのピー

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    RanTairyu 2010/07/03
  • [書評]伝説の教授に学べ! 本当の経済学がわかる本(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代): 極東ブログ

    銀行白川方明総裁に経済学を教えた浜田宏一先生が、かつてのその教え子である白川氏を叱るとまでは言えないまでも、奇異な日銀流理論から経済学の基に立ち返るように諭すという趣向の対談があると聞いて興味を持ち、以前にアマゾンに予約しておいた書籍「伝説の教授に学べ! 当の経済学がわかる(浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代)」(参照)が今日届いて、早速読んだ。 浜田宏一氏は現在も米国の経済学者の精鋭に伍してイェール大学経済学部で教鞭をとり続けている現役の最前線の経済学者であって、過去の追憶や老いの繰り言を語る人ではない。 冒頭には、「白川方明・日銀行総裁への公開書簡」が添えられており、日国民が日銀の間違った金融政策によって苦しむことに経済学者として黙ってはいられないという、学者らしい義憤がしかし礼儀正しく書かれている。学者という存在はこういうものであったはずだと襟を正す思いがする。 拝啓 金

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    RanTairyu 2010/06/27
  • イラン発ガザ支援船阻止に米軍が動いたのか?: 極東ブログ

    ツイッターのタイムラインを見ていたら、なんだろこれという話があった。イラン発ガザ支援船阻止に米軍が動き、緊張が高まっているというのだ。 どういう詳細なんだろうかと思って、ツイート元にニュースソースを訊いてみた(参照)。 ソース? “@takapapacom: イランのGaza支援船を阻止しようとするイスラエルと米国の戦艦が紅海に向かったそうな。スエズ運河を通ることをエジプトが認めたと。緊張が高まっています。” ちなみにこのツイートの反応例(参照)はこんな感じだった。 ガザの人々はイスラエルの蛮行に対し、砂をかんで、非暴力による抵抗を続けている。彼らを利用して、戦争のきっかけを作るな! takapapacom イランのGaza支援船を阻止しようとするイスラエルと米国の戦艦が紅海に向かったそうな。スエズ運河を通ることをエジプトが認めたと。 戦争のきっかけを作るなというメッセージは、イランに向け

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    RanTairyu 2010/06/24
  • [書評]夫の悪夢(藤原美子): 極東ブログ

    10代の子どもに問われて、「大人になればわかるよ」としか言いづらいことがある。他の世代でも、例えば20代の人には「30過ぎるとわかるよ」としか言えないことがある。書は、たぶん、40歳過ぎないとわかりづらい機微に満ちている。あるいは40歳過ぎたら読んでみるとよいですよ、と男女問わず勧めたくなる。大人のためのエッセーである。文章も美しい。 タイトルと著者を見れば、それだけで含み笑いを浮べる人もいるだろう。数学者、藤原正彦の夫人のエッセーであり、あたかも藤原先生がに向かって、暴露はやめてくれ、悪夢を見そうだ、と言いそうなシニカルなユーモアに満ちている(なれそめの一言とか特に)。書を楽しむには藤原先生のキャラクターを知っているとよい。ただし、それはごく表層的なことだ。当の面白さはそこではない。 私はうかつだったのだが、藤原先生のを何冊も読み、だからして奥様はたいそうな美人に違いないとわか

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    RanTairyu 2010/06/22
  • 北朝鮮によるソウル急襲シナリオ: 極東ブログ

    韓国哨戒艦沈没事件を巡って、北朝鮮国防委員会報道官は、制裁が実施されれば、即時に全面戦争を含む各種の強硬措置で応じると20日アナウンスしたこともあり(参照)、いろいろ危機も取り沙汰されている。だが、実際には北朝鮮は意外なほど冷静な対応を取っている。 北朝鮮祖国平和統一委員会はそれを示唆している。実質的な北朝鮮側からの応答は、南北関係の全面閉鎖、南北不可侵合意の全面破棄、南北協力事業の全面撤廃というくらいで、開城工業団地閉鎖への明確な言及はない。現実、開城工業団地と往来する南北間の陸路通行は26日時点でも開放されている(参照)。開城工業団地を人質にはとらないというメッセージである。仔細に見れば、北朝鮮側が戦争を避けようとしているシグナルが読み取れる。であれば、金正日総書記訪中もその流れであったと見てよいかもしれない。 日の鳩山首相はといえば、普天間問題という大失態のカムフラージュのためか「

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    RanTairyu 2010/05/27
  • [書評]日本の大問題が面白いほど解ける本 シンプル・ロジカルに考える(高橋洋一): 極東ブログ

    アマゾンから届いた書を見て一瞬、あれ?と思った。広告を見て、「ロジカル」というサブタイトルに惹かれて注文したのだったが、そのことを忘れていた。現下、再度の政権交代なり政界再編成が望まれる状況を高橋洋一さんがどう見ているのかも気になっていた。 内容は読みやすい。だいぶ編集の手が入っているのではないか。話題も興味深い。民主党の高速道路無料化、子ども手当、成長戦略不在、原口総務相に期待される周波数オークション、中小企業金融円滑法、社会保障制度、地方分権など、どこに問題があるのか、ロジカルという副題は正確とは言い難いが、すっきりとまとめられている。 しかし、これらの話題は高橋氏のこれまでの書籍で触れられているお馴染みの話題ばかりで、普天間飛行場撤去問題や外交問題、の安全保障、環境政策といった話題には言及がない。私のように高橋氏の一般向け著作は出たら買って読むという読者も多いだろうから、もう少し

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    RanTairyu 2010/05/19