【カイロ和田浩明】シリア政府による民主化勢力への武力弾圧は3月の開始から約5カ月が過ぎ、死者は1700人に達した。2日も中部ハマなどで24人が死亡、軍部の“無差別攻撃”は激化している。しかし、国際社会は制裁措置など効力の薄い対応にとどまり、リビアと同様の軍事介入を求める声は少ない。背景には、介入が宗派間紛争を誘発する危険やイランの反応に対する懸念、自国権益に関する思惑が絡む。反体制派側にも外国の直接介入への反発がある。 アサド政権にはオバマ米大統領ら各国首脳が非難、資産凍結などの制裁を科している。欧州連合(EU)は2日、追加制裁対象のマフムード国防相ら5人の氏名を公表。イタリアは在シリア大使を召還した。国連安全保障理事会でも非難決議案を巡る協議が続く。 軍事介入には米連邦議会などの一部に強硬論もある。だが、米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議長は2日、「米国が直接関与すべき兆候は一切ない