日本の輸出はどのように進化してきたのか。日本は中国経済の減速からどの程度影響を受けるのか。どのような政策によって日本の輸出はさらに安定するのか。以上の問題を解明するため、筆者は経済学で最も有効なモデルの1つであり、二国間の貿易フローの予測に有用な重力モデルを用いて分析した(Anderson, 2011参照)。 従来の重力モデルでは、二国間の貿易は両国の国内総生産(GDP)に正比例し、両国間の距離に反比例すると仮定される。重力モデルはニュートンの万有引力の法則に類似しており、2つの物体間の引力はそれらの質量の積に正比例し、物体間の距離の二乗に反比例するというものである。貿易フローを説明する場合、重力モデルには通常、二国間貿易のコストに影響を与えるその他の要因も含まれる。たとえば、相手国と共通の言語を使用しているか、自由貿易協定(FTA)を締結しているかどうかなどである。 Anderson と
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