ユーロ以後のEUの政策について考える上で必読だと思い、前から読まなきゃと思いつつそのままになっていた本ですが、ようやく読みました。 http://www.msz.co.jp/book/detail/07926.html 資本主義は自らの危機を「時間かせぎ」によって先送りしてきた。 70年代、高度成長の終わりとともに、成長を前提とした完全雇用と賃上げは危機を迎えていた。そこで各国はインフレによる時間かせぎ、つまり名目成長が実質成長を肩代わりすることで当面の危機を先送りした。 80年代、新自由主義が本格的に始動する。各国は規制緩和と民営化に乗り出した。国の負担は減り、資本の収益は上がる。双方にとって好都合だった。 だがそれは巨額の債務となって戻ってきた。債務解消のために増税や緊縮を行えば、景気後退につながりかねない。危機はリーマン・ショックでひとつの頂点を迎えた。 いま世界は、銀行危機、国家債