2012年末に、安倍新政権が発足し、年始早々の1月11日には、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」が打ち出され、(1)復興・防災対策、(2)成長による富の創出、(3)暮らしの安心・地域活性化の3つの重点分野を中心として、補正予算の概要が取りまとめられた(*1)。まずは、経済の再生に取り組む新政権であるが、市場への資金供給や公共工事といった即効性のある施策だけでなく、成長の原動力となる人的資本への投資や適正配置といった中期的かつ構造的な問題を解決する施策についても注視していく必要がある。 わが国の産業構造は、グローバル競争や少子高齢化等の社会経済環境の変化と相まって、大きく変化した。産業別の就業者数(*2)をみると、製造業がここ10年間に約250万人、建設業が約100万人減少する一方で、医療・福祉が約200万人、情報通信業が約30万人増加している。いわゆる経済のサービス化が進んできたのである