日本政府は地熱発電の技術開発に十分な力を入れてこなかった。このため、国内では新規開発能力が必ずしも高くない。九州電力と伊藤忠商事が参画するインドネシアのプロジェクトは技術水準維持のためにも役立つ。 地熱発電は立地こそ選ぶものの、天候などに左右されない再生可能エネルギーの優等生だ。24時間365日連続して利用でき、出力変動が少ない。このため、現在、原子力発電や石炭火力発電が担っている電力のベース供給力に向いている。国内でも九州電力の八丁原発電所(出力11万2000kW)をはじめ、17カ所で運転中だ。 しかし成長著しい太陽光発電や風力発電とは異なり、10年以上、国内では地熱発電の設備容量がほとんど増えていない。これでは技術水準の維持にも支障を来す。 九州電力と伊藤忠商事は海外の2社と協同でインドネシアに出力約33万kW(約11万kWを3基)の地熱発電所を建設する(図1)。2014年に着工し、2