新国立競技場建設については、政府の決定も下され、工事契約も開始されたが、皮肉なことに、この段階でやっと世論の関心が高まってきた。 1年半前に、このような議論がなされていたらと悔やまれてならないが、その頃、都知事に就任した私のところに、文科大臣からは都に建設費財源の協力を要請する話などはなかった。 今年の5月18日に、下村文科大臣が都庁に来て、会談し、その場で要請されたのが初めてである。この問題については、すでに5回にわたって、本コラムで詳細に論じたので、それを参照してほしいが、最近の動きも含めて、さまざまな誤解もあるので、簡単に述べておきたい。 建設の責任者は「JSC」「文科省」「政府」である! まず、新国立競技場は、「国立」である以上、国の責任で建設すべきものである。具体的には、JSC(日本スポーツ振興センター)、それを監督する文科省である。森喜朗氏が会長を務める組織委員会や、東京都が建