「何をされるかわからない」「襲われる」……。相手が障害者と見るや、こうした過剰でまちがった「不安」をぶつける人がいる。ごく普通の住宅街で起きている、不寛容の現場を歩いた。 暴走する住民たち 「なぜ住民感情に配慮しないのか!」 「町内会の全員が賛成しなければ、(施設の開設は)やらせない!」 昨年10月、神奈川県横浜市金沢区の集会所で、住民のひとりがまくし立てた。町内で開設目前となっていた知的障害者向けグループホームへの猛抗議を始めたのだ。 経緯を調査した横浜市障害福祉保健部の担当者は語る。 「グループホームの運営会社は別の地域でも実績があり、大半の住民は開設に好意的でした。町内会の役員たちも、入居者と良好な関係を築きたいと考えていました。 そこで役員会に運営会社の担当者を招いたのですが、役員ではない住民が現れて、怒声を上げ始めたのです」 同市は障害福祉計画に基づき、毎年40ヵ所の障害者グルー