外国為替市場の円相場は、対ドルで政府・日本銀行の介入が疑われた水準から円高が進んでおり、弱い米国の経済指標が日本の通貨当局者の代わりに円を動かした2022年後半の状況に似てきている。 15日に発表された米消費者物価指数(CPI)がインフレ圧力後退の可能性を示唆し、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内に利下げに踏み切るとの見方からドルは幅広い通貨に対して売られた。円は主要通貨の中で最大の上昇幅となり、16日には日本の1-3月期国内総生産(GDP)が予想以上に落ち込んだにもかかわらず、対ドルで一時0.8%上昇した。 マーケット・リスク・アドバイザリーの深谷幸司フェローは、足元の円高進行で「介入のリスクは減っている」と指摘。日本の政策当局が想定よりも早く円安阻止の方向に動く流れが強まっており、これは円にポジティブだが、円反発の最も大きな要因は「米国。特にFRBの利下げの可能性だ」と言う。 円相場