私たちの食生活に欠かせないパン。その原料は言うまでもなく小麦である。最近、「国産小麦」を謳ったパンが店頭によく並んでいることにお気づきだろうか。もっちりとした食感と香ばしさで好評という。 国産小麦を原料にしたパンが出回るようになった背景には、なにがあるのだろうか。 下がってきた国産小麦の価格 パン向けに使用されている小麦は主に輸入品だったが、最近、国産も出回るようになってきた。その背景には、パン向けの新品種が開発されたことがある。 これまで国産小麦は、安価な輸入小麦との価格差も大きく「パン向きではないし、高すぎて使えない」という見方をされていた。 しかし、2014年から生産量第1位の北海道産小麦の価格が下がり、輸入小麦との価格差が小さくなってきた。国産小麦を取り扱いやすい状況になってきたのだ。 とはいえ国産小麦はいまも希少だ。農林水産省によると、2014年の国産小麦の流通量は77万トン。一