ベストセラー『がんばらない』の著者で、諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏は、東日本大震災の被災地支援のため、たびたび現地入りしている。その鎌田氏が、被災地に寄付を続けたヤマト運輸の試みを紹介する。 * * * 資本主義社会で生きる以上、僕は経済がとても大切だと考えてきた。40歳で諏訪中央病院の院長を引き受けたとき、病院には4億円の累積赤字があった。いい医療を続けるためには、病院を黒字経営に転換しなければならない。 どうやって収入を増やすかを考え続けた。懸案の赤字を解消し、黒字にした経験があったから、経済誌からも声がかかり、これまで多くの成長企業の社長と話をする機会があった。今回はその中でおもしろくて元気な会社の話をしよう。 宅急便でお馴染みの「ヤマト運輸」では、新社長の山内雅喜さんと会った。震災のときには、いち早くボランティアスタッフが動いた。救援物資を持って、道路が壊滅的な状況の中、体育館で