短期国債の買いオペで、日銀がマイナス金利で短期国債を買い入れたことが報道されている。しかし、この場合にあまりマイナス金利ということを強調しても、意味があるとは思わない。たとえプラス金利でも、準備預金に付利されている0.1%の水準よりも低ければ、日銀が損をすることには変わりがないからである。 『日経ヴェリタス』9月21-27日号の「異見達見」欄に寄稿した拙記事の中でも解説しているが、量的緩和と総称されている政策についても、買いオペの対象がどのような金融資産であるかによって、大別して3つの類型がある。すなわち、短期国債を対象とするのが「純粋の量的緩和」、リスク資産を対象とするのが「信用緩和」、長期国債を対象とするのが「満期延長」である。 金融政策は、お金を一方的にばらまくようなものでは決してなくて、金融資産と別の金融資産の交換である。純粋の量的緩和は、中央銀行が短期国債を買い上げる代わりに(購