田舎暮らしが日本の解決策になる? 戦後の経済成長に支えられた日本でのマネーに依存した資本主義社会における都市生活が大きな矛盾を抱えるようになった一方で、若者から見捨てられた高齢化過疎地が広がっている。その過疎地に、マネー依存の生活から離れた新しい価値観を求める人々がUターンあるいはI ターンしている。その人たちの田舎暮らしの生活の実態を、「里山資本主義」として紹介しているのが表記の藻谷らの著書(以下、本書、文献1 )である。 GDPを指標として経済成長優先で進められてきた都市生活での物質的な豊かさを追求してきたマネー資本主義が世界中で行き詰ってきたなかでも、政府は、いま、紙幣を増刷して円安を誘導し、国内景気を煽ることで、失われた20年と呼ばれるデフレからの脱却を図ろうとしている。このアベノミクス政策では、一部の輸出産業を一時的に振興して輸出金額を増加させるが、逆に、円安に伴う、エネルギーや