シェールガス開発にビール醸造業者が反対の理由 : 国際 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）【ベルリン＝工藤武人】世界屈指のビール大国ドイツのビール醸造業者協会が、安価なエネルギー源として期待されるシェールガスの開発解禁に反対している。 開発で、醸造に用いる地下水の水質悪化を懸念しているためだ。「脱原発」にかじを切り、エネルギー源の多角化を迫られている独政府にとって、新たな悩みの種になっている。 同協会は、化学物質を含んだ高圧水で岩盤を砕くシェールガスの採掘手法が、地下水の汚染を招く恐れがある点を問題視している。 国内１３００以上の醸造所の大半は、地下水を使用している。同協会は５月２１日、環境相や経済技術相ら６閣僚に書簡を送り、地下水汚染への強い「危機感」を表明。ビールの原材料について、１５１６年に大麦とホップ、水だけとすることを規定した「ビール純粋令」に違反する製法を使わざるを得なくなると指摘、ビールへのこだわりが特に強い国民感情に訴えた。
