国のエネルギー需給に関する基本政策を定めた「エネルギー基本計画」の確定時期がさらに遅れる見込みだ。本来ならば2013年中に改定すべきものだが、政府の原案に対する国民の反発が大きく、閣議で決定できない状況になっている。2月9日に実施する東京都知事選の影響もある。 政府が策定した「エネルギー基本計画」の原案に対して、国民からのパブリックコメントが1カ月間に約1万9000件にものぼったことを、茂木経済産業大臣が1月10日の会見で明らかにした。経済産業省が内容の分析を進めているが、原子力発電の位置づけに関する反対意見が多数を占めることは想像にかたくない。 2012年に当時の民主党政権が「国民的議論」を通じて、原子力発電を2030年代までにゼロにする方針を決定したことは記憶に新しい。ところが自民党政権は方針を転換して、原子力発電を「安定して安価なベース電源」と位置づけるエネルギー基本計画の原案を20