編者の小峰隆夫さんからと、出版社の日経BP社からとで、『政権交代の経済学』をつごう2冊ももらってしまった。大変に有り難うございます。標準的な経済理論に基づいて経済政策の分析をした良書だと思うので、私からも大学生とかに大いに薦めたい。それで、同書の第17講で小峰さんが書いていることとかなり重なる内容になるが、外需依存を改めるということの意味を改めて私なりにも確認しておきたい。 外需というのを純輸出(=輸出-輸入)と理解するのか、外需=輸出と理解するのかでは、ずいぶんと意味が変わってくる。近年の経済学では、前者の意味で使うのが普通だと思うので、私自身もそういう意味で使っている。この意味では、外需依存型の経済成長というのは、経常収支(純輸出)の黒字を出し続けるような成長パターンということになり、重商主義的な成長路線ということになる。今回の景気回復も、こうした路線によるものであって、当面、対GDP