最近(2012年1月)、内閣府は「経済財政に関する中長期試算」を公表した。 この試算(慎重シナリオ)によると、一体改革が失敗して消費税が5%で推移した場合、2020年度の基礎的財政収支(対GDP)は4%の赤字となる。 他方、社会保障・税一体改革が成功して消費税が10%に引き上がった場合、2020年度の基礎的財政収支(対GDP)は3%の赤字となると試算している。 一体改革が成功すると、2020年度の基礎的財政収支(対GDP)は1%改善するとの試算であるが、それでも3%もの赤字が継続する。これは一体改革は「止血剤」に過ぎず、さらに大幅な増税や社会保障削減が不可欠であることを意味する。 だが、「経済成長のみで財政再建は可能である」との意見がいまだに存在する。 これが不可能であることは、拙著『2020年、日本が破綻する日』や『日本破綻を防ぐ2つのプラン』で詳しく説明しているが、今回は若干異なる視点