もう一つは、投資家を意識した高い利益分配方針だ。両REITは通常の分配金に、毎期の減価償却費の最大30%を上乗せする利益超過分配を導入した。日本ではまだ珍しい制度だが、海外では一般的だ。 さらに、REIT運用会社の経営報酬についても、分配金の額に連動する方式を取り入れ、投資家と利害が一致するよう配慮した。こちらも資産規模に連動するタイプが多い、国内の既存REITとは異なる方式だ。GLPジャパン・アドバイザーズの三木真人社長は「相場が下火になっても買い支えてくれる投資家を増やしたい」と、その狙いを語る。 これまで、日本のREITは投資家よりも母体企業におもねった経営に陥りやすく、それが市場拡大の阻害要因となってきた。だが、外資系が新機軸を打ち出したことで、業界の慣習に風穴が開こうとしている。 日本のREITは今年、誕生から12年目を迎えるが、時価総額は約5兆円と、米国の10分の1程度。足元の