先月末、日米首脳会談が行われた。本稿では、この会談における日本側の採点を安全保障の問題に限れば、40点の大失敗であり、安倍首相による同盟関係の運用は野田総理にも劣るものであると論じたい。以下では、まず抑止力や信頼関係の構築などの項目で採点し、最後に総括を行い、なぜ40点の大失敗なのかを論じたい。 1.信頼関係の構築に大失敗 (1)野田総理と違い、構築できなかった信頼関係 結論から言えば、点数は0点である。本音を言えば-50点にしたいくらいである。何故ならば、安倍首相は、オバマ大統領とまったく信頼関係の構築が出来ず、その責任の多くが安倍首相に帰するからだ。 まずは、オバマ大統領と信頼関係の構築が出来なかった証左を見ていこう。共同記者会見では、双方の呼びかけは以下のようなものだった。 「バラク、バラク→プライム・ミニスター・アベ→バラク→シンゾー→バラク→プライム・ミニスター・アベ→バラク→ミ