大型ロケットの打ち上げに使われる宇宙関連設備の維持管理を主力事業にする会社が、新たに大分県の別府市で温泉発電を開始する。未利用のまま大気に放出される温泉の蒸気を活用して電力を作る。年間に1億円強の売電収入によって初期投資を8年程度で回収できる見通しだ。 宇宙関連設備会社のコスモテックは1975年に創業して、主に大型ロケットの打ち上げ場がある鹿児島県の種子島を拠点に事業を展開している。打ち上げに必要な高圧ガスの技術や電気・空調設備の運用ノウハウなどを生かして、地熱発電を中心に再生可能エネルギー事業にも取り組む。 温泉が豊富に湧き出る大分県の別府市内に、4基の発電機で構成する設備を建設する計画だ(図1)。導入する発電設備は米国アクセスエナジー社の小型バイナリー発電システムで、1基あたり125kWの発電能力がある。4基の合計で500kWになり、このうち400kWを九州電力に売電する。すでに九州電