近年の五輪開催にあたり重視されるのが、オリンピック・レガシーだ。オリンピック・レガシーとは、五輪開催都市や開催国が長期にわたり継承・享受できるオリンピックの社会的・経済的・文化的恩恵のことである。 2020年東京五輪の立候補ファイルにも『ビジョン、レガシー及びコミュニケーション』という項目があり、『包括的な一連の物理的、社会的、環境的、国際的なオリンピック・レガシーの取組が、2020年大会の東京開催から生まれる』と記載されている。 64年のオリンピック当時、日本は高度経済成長の中にあり、当時建設された都市インフラはその後の日本の経済成長の基盤となった。2020年五輪は64年大会のレガシーである既存施設を有効活用し、コンパクトな大会を目指している。前回の五輪から半世紀が経過して社会経済環境も大きく変化した今日、2020年五輪が新たに創造するオリンピック・レガシーとはどのようなものだろう。 昨