プライベートクレジット(非公開融資)が1兆7000億ドル(約265兆円)規模の産業に爆発的な成長を遂げる中、この取引は端的に言って比較的安全だというのが業界大手の主張だった。 ハイイールド債市場よりも安全なのは間違いない。また、経営難に陥った企業が投資家保護の脆弱(ぜいじゃく)性を突いてヘッジファンドと手を組み、既存の債権者を犠牲にして大幅な債務再編に踏み切ることがあり得るレバレッジドローン市場よりも安全だろう。 まだそう言えるかもしれない。プライベートクレジットの取引文書は、概して厳格だ。融資は企業やその未公開株保有者と緊密な関係を持つ金融機関の小規模な「クラブ」によって行われ、貸し手は通常、満期まで債権を保有する。これら全てが投資家にとってのリスクを軽減すると、プライベートクレジット支持派は話す。 だがプライベートクレジット業界は今や、状況が暗転した際にどうなるのかを味わいつつある。