過労死に追い込まれるような働かされ方や職場のセクハラを巡る裁判で、企業が支払う慰謝料が高額化し、億単位のケースも出始めている。セクハラ加害者の会社員に和解金を負担させる例もある。 「有能なのに…『パワハラ上司』になってしまう人の3つの特徴」 の筆者で労働ジャーナリストの金子雅臣さんは、日本の慰謝料ではあまり考慮されてこなかった精神的慰謝料も含めた「懲罰的慰謝料」という考え方が浸透し始めたのではないかと考察する。 ワタミ1億3000万円、アデランス1300万円……。最近、企業が支払う高額慰謝料をめぐる報道が相次いで、世間を驚かせた。確かに、この二つの和解をめぐる額は、これまでの慰謝料の常識を塗り替える数字となるかもしれない。事件の内容はまったく異なるが、そこには共通の背景が見えてくる。 ワタミの方は、居酒屋チェーン「和民」で入社2か月の女性正社員が過労自殺したという事件である。いわゆる“ブラ