1.仕入れ税額控除の仕組み 「仕入れ税額控除」と聞いたとたんに、ややこしそうとか、読みたくないと思う人は多々いると思われる。私もその1人である。しかし、わが国の消費税は、転々流通する商品やサービスの付加価値に対して多段階で課税し、最終的には消費者が負担するという仕組みである(多段階累積控除型という)。そのため、生産・流通の各段階で重複して課税されることのないよう調整する仕組みが必要となる。仕入れ税額控除はそのための仕組みであり、消費税の根幹をなすものである。これを理解しないことには、消費税を理解したことにはならない。 消費税は、事業者による製品・商品の販売や役務の提供に対して課される。事業者は販売や役務の提供に課された消費税額から、仕入れた製品・商品や役務の提供に課されている消費税を控除した残額を納付する。 図表の例でいうと、現行税率の5%の場合、A事業者は売上1,000の5%である50か
![消費税率引上げと仕入れ税額控除(その活用も含めて) | 大和総研](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/f4dcce8cd5d8bc825c6c31ac2e35cc8b62bfde4c/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.dir.co.jp%2Fcommon2%2Fimg%2Flogo-ogp-dir.png)