消費増税延期の是非を問う選挙だったのが、いつの間にかアベノミクスの是非を問う選挙になっていた第47回衆議院議員総選挙だが、どうも野党の選挙戦略もしくは経済音痴のせいで、アベノミクスの大前提に対する批判が甘いような気がする。大前提と言うのは、金融政策の転換と言う第一の矢に何らかの効果があったと言う所だ。まずはこれを確認するために、マネーストック統計について言及しなくて良いのであろうか。 銀行の融資活動を反映し、インフレ率や為替レートなどに大きく影響するのは、中央銀行が供給しているマネタリーベースではなく、市中銀行の預金残高などを表すマネーストックだ*1。マネタリーベースを増やせばマネーストックが増えると言う主張もあるのだが、それはゼロ金利になる前の経験則に過ぎないから、やはりマネーストックの状態を見る必要がある。マネーストックが増えないと、金融緩和の効果があったとは断言しづらい。だからマネー