ものをつくるということは、元来、自発的なもので、音楽しかり、料理しかり、模型作りしかりで、そこには楽しみや刺激が潜んでいる。 だから開発や製造という仕事は、他の仕事にはない種類の歓びを伴っている、とおれは思うんだ。 だが、いくら好きな仕事、楽しい仕事でも、長時間、集中して根詰めていると物事の捉え方が一定の枠内に留まり、発想の拡がりがなくなり、考え方の融通が利かなくなったりするものだ。 そうなると、ひらめきというものが湧き出てきにくくなる。時間や努力、労力と成果が比例しないのがものづくりだが、おれは、開発で壁にぶち当たった時には、全然、仕事の縁がない人とたくさん話をすることにしているんだ。 饅頭屋のおやじとか、時計屋のオヤジとか、樽屋の親父とか。同業者じゃない人とうんと話をする。これって無駄話のようで、実は、知恵の蓄積になるんだよ。「こうやって、樽はつくるんだな」っていう具合にね。 仕事のリ
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