【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮の金正日(キムジヨンイル)総書記(67)の後継者に三男の正雲(ジョンウン)(26)が内定したとの話が流れている。韓国の情報機関・国家情報院が入手した情報として、北朝鮮当局が最近、在外公館に内定の事実を通報し、国内でも金正雲をたたえる歌が歌われているというのだ。 まだ20代にすぎない末っ子を後継者にという“内定説”には疑問の声も残っているが、息子の中で金正雲が注目されるのはその性格が父親似で、金総書記も三男が「一番お気に入り」とする見方が広く流布されてきたからだ。 しかし、こうした情報を含め、これまで外部世界にもたらされている金正雲に関する情報のほとんどは、1980年代から2000年代初めまで金総書記の料理人だった日本人、藤本健二(ペンネーム)氏の著書から出ているものだ。 藤本氏は『金正日の料理人-間近で見た権力者の素顔』(2003年、扶桑社刊)など3冊の著書があり