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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (10)

  • 人生最悪の年 - 紙屋研究所

    今年は人生で最悪の年だった。仕事でも家庭でも。 もちろん、来年はそんなことがないようにしたいのだが、「『最悪だった』なんてのんきにブログに書けていた頃はよかったな〜」などという具合に「最悪」を更新することもないわけじゃない。 何をしていても前向きな気持ちが生まれないとか、いつも不安に苛まれているとか、そんな感情に支配されるようになるとは思ってもみなかった。もちろん、そうした精神状態というものがあるということをでは読んで知っていたが、やはりどこか他人事だったんだろう。 当に苦しいな、これは。 こんなに苦しいとは思っても見なかった。 イスラエルに何年も捕らえられたパレスチナ人や、共産党圧政下で苦しむ香港政治犯などが、牢獄に閉じ込められたりする孤立感や絶望感というのは、こういう「体を蝕むような精神的抑圧」(おそらくぼくが体験しているプレッシャーの数倍、数十倍)と一体で行われるんだと想像すると

    人生最悪の年 - 紙屋研究所
  • 及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所

    そうだなあ、高校の教科書程度しか知識のない人間=ぼくが読んだのだが、読みやすいとはなかなか言えないであった。 関東軍――満洲支配への独走と崩壊 (中公新書 2754) 作者:及川 琢英 中央公論新社 Amazon その原因は、人名や役職名、組織名などが多く、それらが織りなす個別事実がたくさん書かれていて、素人には「で、それは一体どういう意味を持つのですか?」と言いたくなってしまうのである。学者からすれば、それらは軽々に規定できるものではないのかもしれない。だから、個別事実を「豊富に」並べることで読者が感じ取るように作られている気がした。 また、ぼくにとって馴染みのある「軍閥」という言葉(概念)は出てこない。最近の歴史学の動向など全然知らないのであるが、どうして使わないのか、説明はない(他方で「馬賊」「巡防隊」などはごく簡単な説明がある)。 張作霖らをリーダーとする「奉天派」というのは、こ

    及川琢英『関東軍——満洲支配への独走と崩壊』 - 紙屋研究所
  • 『戦下のレシピ』『昭和経済史』 - 紙屋研究所

    『この世界の片隅に』のアニメをきっかけに、戦時中の日常生活についての文献をいくつか読んだ・読み返した。 戦争になるとなぜ糧難が起きるのか――斎藤美奈子が示した2つの理由 斎藤美奈子『戦下のレシピ』(岩波現代文庫)、中村隆英『昭和経済史』(岩波書店)はその一つ(2つ?)。 『戦下のレシピ』の中に「なぜ戦争糧難を招くのか」という節がある(第5章)。 斎藤は「戦地に送るからべ物がない?」という仮説をまずは批判する。 総人口は変わらないので理屈に合わない、と。「まして旧日軍は、糧について甘く見ていた」(斎藤p.158)。 うむ、アジア・太平洋戦争の「戦死者」の半分が餓死、それ由来の病死だったことは有名だし、牟田口中将の「元来日人は草である、然るに南方の草木は全て即ち之料なのである」という小並感発想をもとにしたインパール作戦での失敗を見てもそれはよくわかる。 斎藤は、この仮説を批判

    『戦下のレシピ』『昭和経済史』 - 紙屋研究所
  • 「安倍を支持する3割」についての想像 - 紙屋研究所 *1 『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』のp.285-289。「僕はオリンピックの後に大きな問題が出てくるんじゃないかなと思います」(松尾)「一番怖いのは東京オリンピックのあとだ」(ブレイディ)「このままでは五輪後地獄だぞ」(北田)。

    「安倍さんを支持する人ってどういう部分が良いと思ってるの?」というはてな匿名ダイアリーの記事があった。 安倍さんを支持する人ってどういう部分が良いと思ってるの? - はてな匿名ダイアリー 安倍政権の支持率は、どんな不祥事が出てきても3割くらいから下がらない(まあ「7割くらいは支持していない」とも言えるが)。 この3割ってどんな層なのだろうか。 勝手に想像してみる。 一つは「経済」(経済政策) この間、福岡市で印刷会社に勤めている、娘の保育園時代のパパ友・Aさんと酒を飲む機会があったんだけど、彼の感覚では「不動産、建設がホントに景気いいですよね〜」。 これは景気動向調査のようなデータとも一致するが、細かい数ヶ月単位の数字データというより、ざっくりとした景気の感覚。例えば年間の展望について建設は「首都圏再開発事業などで好況が続く見通し」、不動産は「首都圏を中心としたオフィスの大量供給が見込まれ

    「安倍を支持する3割」についての想像 - 紙屋研究所 *1 『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』のp.285-289。「僕はオリンピックの後に大きな問題が出てくるんじゃないかなと思います」(松尾)「一番怖いのは東京オリンピックのあとだ」(ブレイディ)「このままでは五輪後地獄だぞ」(北田)。
  • 「ジャンプお色気騒動」に思う - 紙屋研究所

    これな。 ジャンプお色気♡騒動。【法律家版】 - Togetterまとめ ぼくもエロマンガを読み、そして「楽しんで」いるし、(エロマンガとはとても分類できないが)今回槍玉にあげられた『ゆらぎ荘の幽奈さん』は、小4の娘も愛読している。 「そのまま真似る」ということはない まず、「子どもが性暴力マンガを読んで、性暴力をそのまま真似る」かどうかという問題(「そのまま」がミソ)。ここにはそう難しい問題はない。 感覚的には、小学校に入ってからは、だいたい虚構と現実の区別はつくだろう、ある程度わかってないやつがいたとしても、小3〜小4くらいには大丈夫だろ、という感じ。 わかっていなくて、『ゆらぎ荘の幽奈さん』読んで、おっぱい揉むのはキモチよさそうなので、やってしまいそうな男の子とかいるかもしれん。 そういうコは、「有害マンガ」をとりあげるんじゃなくて、性暴力はいけないということを実際に教えたほうがよい

    「ジャンプお色気騒動」に思う - 紙屋研究所
    amanoiwato
    amanoiwato 2017/07/08
    制作側と批判側の双方に配慮した上での冷静かつ誠実な分析。
  • 梅本ゆうこ『マンガ食堂』 - 紙屋研究所

    マンガに出てきた事を再現する有名なブログ「マンガ堂」が、書籍化されたもの。 http://umanga.blog8.fc2.com/ ぼくが自分の胸に手をあてて、心の声に耳をすましたとき、「べたい…」と思えるマンガ料理、というかまず思い浮かべるマンガ料理は、なんといっても料理人修業物語、牛次郎・ビッグ錠『包丁人味平』のカレーである。 兄が「少年ジャンプ」を雑誌でときどき買ってきていたのが家の納屋に捨ててあり、ホコリまみれの古雑誌をくり返し読んだものである。当時『味平』が連載中で、しかもこのカレー対決と、ラーメン対決が古雑誌として我が家に残っていて夢中になって読んだものである。 いまでもうまいラーメンべると、ビシッと割り箸を置きたくなる心のクセは、あきらかに『味平』の痕跡だ。 梅書にこの『味平』のメニューが入ってなければ、このようなはホンモノではない……などと無意味な基準を

    梅本ゆうこ『マンガ食堂』 - 紙屋研究所
  • 映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所

    宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム

    映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所
  • 麻生発言はナチ肯定なのか? - 紙屋研究所

    また雑感。雑感ばっかりですいません。 麻生太郎のいわゆる「ナチス」発言についての、見事な分析。 麻生太郎のナチス発言を国語の受験問題的に分析してみる: ナベテル業務日誌 リンクを読むのが面倒なお前らに簡単にまとめを書いといてやる。 「冷静に、静かに論議する」流れと、「喧噪の中、わーわー言いながら騒ぐ」流れの二項対立が麻生の頭の中にあり、前者には自民党内での改憲案作成プロセスや騒がれる前の靖国参拝があげられ、後者には政治問題化した靖国参拝や現状の改憲論議があげられている。ナチのたとえは前者に分類されている、というのが渡辺の整理である。ゆえに、ナチの話は明らかに麻生にとって肯定的な文脈でとりげられているのだ、と。 ぼくは麻生発言の全文を読んだ時、前半部分(渡辺輝人の分け方でいうと1・2)でナチ批判っぽいことを言っているように思えるが、後半(渡辺の分け方では11)明らかに「あの手口、学んだらどう

    麻生発言はナチ肯定なのか? - 紙屋研究所
  • (コメント欄)共産党は癌なのか - 紙屋研究所

    参院選の結果を受けての、東浩紀のこの発言。 共産党は日の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対に為政者にはならないという安心感のもとに、為政者への不満だけを吸い上げる党という存在がある、その事実が日政治をひどく損ねている。共産党の批判は決してぶれないから、そこに不満が流れ込む。でもそれはなにも変えないのだ。 https://twitter.com/hazuma/status/358984438501224448 Twitter / hazuma: 共産党は日の癌だ。共産党の主張が悪いというのではない。絶対 ... この人が、どうして政治的な迷路にハマリ込んでいってしまったのかがわかる。前から言ってるけど、東は自分なりに何か切実な問題(保育園をふやして、とか、生活保護を切り下げないで、とか)をかかえて政治にかかわってみれば、「『共産党はなんでも反対だから』みたいな居酒屋談義を

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  • 安藤健二『パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)』 - 紙屋研究所

    パチンコ屋の前を通り過ぎると確かにやたらアニメとのタイアップが目に入り、気になっていた。だけど一番気になり出したのは、やっぱりテレビCMでこのタイアップが激増したことだ。 参考:ヲチモノ- アニメのパチンコ・スロットがどれだけあるのか集めてみた http://watchmonoblog.blog71.fc2.com/blog-entry-479.html ただし、それはアニメに限らない。「加山雄三」であったり「ウルトラセブン」であったり。 この現象に注目した最初はやはり「冬のソナタ」とのタイアップだった。*1パチンコという、サラ金と似たようなダークイメージのものに、こんなメジャーな作品がよくタイアップを許したものだという驚愕を覚えたし、「はあー、すると中高年のオバサンたちがずいぶんパチンコにハマっているわけね」という、そこから「読み取れる」情報があったからだ。 いま、「冬のソナタ」というパ

    安藤健二『パチンコがアニメだらけになった理由(わけ)』 - 紙屋研究所
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