菅官房長官は5日午前の記者会見で、いわゆる従軍慰安婦問題を巡り、旧日本軍により「強制連行された軍用性奴隷」と断定した、1996年の国連人権委員会のクマラスワミ報告について、「朝日新聞が先般取り消した(吉田清治氏の証言に関する)記事の内容に影響を受けていることは間違いない」と述べた。 朝日新聞は8月5日朝刊で、慰安婦を「強制連行」したとする吉田氏の証言は虚偽だったとして、過去の記事を取り消した。菅氏の発言は、朝日新聞の誤報がクマラスワミ報告の根拠の一つになったとの認識を政府として示したものだ。 菅氏はクマラスワミ報告について、「我が国の基本的立場や取り組みを踏まえていないことを遺憾に思っている。不適切だと言い続けてきたが、これからも政府の立場をしっかり説明していきたい」と述べた。