『週刊金曜日』の歴史講座 今回は「差別と歴史修正主義」を考えます。 「ヘイトスピーチ」の背景 日本社会に蔓延する差別と歴史修正主義。その根源はなにか?どうすればよいのか? 哲学者である講師が実態に迫り、その解決法をさぐる。 講師: 能川 元一 (哲学者) 急速に注目を集めるようになったヘイトスピーチですが、この現象は突然現れたわけでもなければ、一部の人たちによる異常な現象というわけでもありません。書店の棚にも、電車の中吊り広告にもあふれる日本社会ではありふれた光景になりつつあります。その露払いとなったのが、歴史修正主義でした。90年代の「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史修正主義運動はその裾野を拡げ続け、運動自体の分裂抗争があったにもかかわらず、その影響力は格段に広がっています。差別的風潮が蔓延する現状は、まさに歴史修正主義の蔓延と軌を一にしていたと言えるでしょう。この講座では、歴史修