荻上チキ氏のラジオ番組 Session 22、2月25日放送分では林博史さんと梁澄子さんが出演、河野談話以降の研究成果を中心に紹介されていました。 さて、番組で紹介された資料のうち、就労詐欺により女性を海軍慰安所に送り込もうとした業者が有罪判決を受けた大審院の判決を「ほら、悪質な業者はちゃんと取り締まっていたじゃないか」と悪用する右派が出てくるかもしれません。 しかしこの事件は1932年に起きたもので、判決も日中戦争勃発前の37年3月に下っています。この時点ではまだ「慰安所」は軍の正式な後方施設にはなっていなかったので、司法が介入することができたわけです。番組をちゃんと聞いていれば、1937年の9月以降、事態が変わっていくことが理解できるはずです。