東京電力福島第一原子力発電所の事故では、長時間の電源喪失が問題となりましたが、国の原子力安全委員会の作業部会が、20年余り前、電源喪失の安全指針の見直しを検討した際、対策を取らなくてもよいとする理由を電力会社側に作らせたうえで、その文書を元に報告書を作り、見直しを見送っていたことが分かりました。 原発の長時間にわたる電源喪失を考慮しなくてもよいとする安全指針について、原子力安全委員会は平成3年に作業部会を作り、見直しを非公開で検討しましたが、最終的に見直しませんでした。 これについて、安全委員会が去年10月までに当時の会議資料を公表し、見直さなかった経緯などを明らかにしていますが、国会の事故調査委員会からの要請で改めて調べた結果、これまで公表していなかった電力会社側と安全委員会のやり取りを示した文書が見つかったということです。 それによりますと、当時、電源喪失への対策を指針に盛り込むことに