警戒区域の境となる福島第1原発(奥)から20キロ地点の南相馬市上空から第1原発を撮影。津波の爪痕が色濃く残っている=2011年8月30日、本社ヘリから撮影 東京電力福島第1原発から半径20キロの警戒区域内で、東日本大震災の津波が最大で高さ21.1メートルに達していたことが、東京大の佐藤慎司教授(海岸工学)の研究チームと福島県の現地調査で明らかになった。震災後、太平洋岸各地で研究者らによる津波の痕跡調査が進められていたが、警戒区域は立ち入りが制限されているため、調査の空白地帯となっていた。 チームは2月6、7の両日、被ばく低減用の防護服などを着用し、南相馬市から楢葉町にかけた長さ約40キロの沿岸部28地点で、窓ガラスや屋根の瓦などに残った津波の痕跡を調べた。その結果、第1原発と第2原発に挟まれた富岡町小浜で21.1メートルを記録したほか、双葉町で16.5メートル、浪江町で15.5メートル、南