首都東京に大阪発の「橋下旋風」が吹き荒れている。橋下徹大阪市長の一挙手一投足にマスコミが飛びつき、既成政党が素早く反応する。 政権与党も野党第1党も、解散総選挙を意識し、橋下氏に秋波を送るようになった。 批判が一転、猫なで声に変わったのだ。 既成の価値に正面から挑戦し、既得権益に切り込む政治姿勢。地方から中央に攻め上り、統治機構そのものの改革をめざす大胆な発想。改革派の首長はこれまでも数多く存在したが、橋下氏の破壊力とスピード感は群を抜く。 共同通信が18、19の両日に実施した全国電話世論調査で、橋下市長率いる大阪維新の会の国政進出について「期待する」と回答した人は、61・2%に上った。 毀誉褒貶(きよほうへん)、評価が相半ばするにもかかわらず、大阪ダブル選挙で圧勝したときの橋下人気は、衰えていない。 なぜ今、橋下氏なのか。 橋下人気の背景に、政治不信、政党不信の負の連鎖があることを見逃す