文部科学省が2020年度から使われる小学校教科書の検定結果を発表した。 小学校5年用、6年用の社会の全6点で、沖縄県に属する尖閣諸島(石垣市)と竹島(島根県)を初めて日本の「固有の領土」と明記した。 領土問題は近隣国と摩擦を生んでいる複雑な問題である。学校現場で児童生徒に考えさせることは大切だが容易ではない。愛国主義的な立場で時の政権の政治方針を刷り込もうという「教育の政治化」になるなら問題だ。 教育に政権の意向を反映させようという流れは2006年から加速した。第1次安倍政権が教育関係者らの強い反対を押し切って、愛国心教育を強調する形で教育基本法を全面改定した。 その後、愛国主義的傾向が強まり、07年に「集団自決」(強制集団死)への日本軍の強制性を巡る検定意見問題が起こった。道徳が教科化され、戦前の教育勅語を教材にしようという動きも出てきた。 領土問題については、旧指導要領は近隣国への配慮
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