東京電力福島第一原発の事故の翌年に発足した原子力規制委員会で初代委員長を務めた田中俊一さんは、13日の政府の決定について、まず「なぜこんなムダな時間を5年も6年も使ったのか。丁寧な議論をしているように見えるが、結論が見えているものを早く決めないから時間ばかり無駄にかかった」と、方針決定に至るまでの対応を厳しく批判しました。 そのうえで、処理水の海への放出については「廃炉というのは放射能を水で洗い流しながら進めていくものだ。水を処理して排出濃度基準になったらその水を捨てるというプロセス抜きに廃炉は進まず、水をためておけばいいという考えは『廃炉をやめます』というもので、廃炉作業全体として物事を考える必要がある」と話し、廃炉作業を進めるうえで必要な処分方法だという考えを述べました。 一方で、処分を実施する東京電力については「決して褒められる会社ではないが、『信頼できないからほかでやる』ということ