金曜日に宇治の萬福寺を訪れました。 萬福寺は黄檗(おうばく)宗の大本山で、江戸初期に中国出身の僧・隠元(いんげん)を開山として創建されました。黄檗宗は、もともとは中国の臨済禅の流れを組みますが、そこに浄土の教えも入り、座禅に加え念仏を唱えることを修行の核とする宗派です。隠元は先に日本を目指して海に没した弟子の代わりとして招かれ、隠元自身も戦乱の続く中国に嫌気がさして来日を志したとされます。日本では徳川4代将軍・家綱によって宇治に土地を与えられて萬福寺を創建しました。萬福寺の伽藍は中国風で、隠元ののち13世までは中国僧が住職を務めています。 先に日本で広まった禅の宗派である臨済宗や曹洞宗は、江戸時代に至るまでの長い年月とともに独自の進化を遂げており、中国から伝わった黄檗宗は新鮮な禅として受け入れられて行きました。食事の面でも普茶料理が伝わり、煎茶の文化も広められる等、日本の文化においても大き