夏休み最後の8月31日。山積みの宿題と格闘している小学生と同じように、書類の山と戦っている人々がいた。東芝財務部門の面々である。 本来、3月末決算の上場企業は6月末までに有価証券報告書を財務局に提出しなくてはならない。今年の場合、6月30日である。しかし不正会計が発覚した東芝は2015年3月期の有価証券報告書を作り直さねばならず「過年度決算も含めて見直しますので、しばしお待ちください」と関東財務局に泣きついた。 「ならば2カ月ほど待ってやろう」とお上は猶予をくださった。その締切が8月31日である。小学校の先生は、絶対に2カ月も待ってはくれない。「明日までに持ってらっしゃい」と叱られる。お上は大企業に優しい。 8月18日に東芝は「2009年3月期から2014年4~12月期までの累計税引き前利益は従来に比べ2130億円減少する」という内容を発表した。この線に沿って31日には過去の有価証券報告書