1907年6月10日(月) 「強盗紳士アルセーヌ・ルパン」:誰でも読める、あるいは誰もが読むべき本。これは我が読者のすべてにとって大いなる喜びとなるニュースである。見事な変装の名人であるアルセーヌ・ルパンが新しく姿を変えて登場する。つまり一冊の本となってあらゆる書店で発売されるのである。 「ジュセトゥ」の読者にとって馴染み深いアルセーヌ・ルパン、モーリス・ルブランという2つの名前は「大評判」を意味している。謎の人物の熱狂的な冒険の数々は、本誌のみならず、人々に広く賞賛をもって受け入れられている。したがって当ピエール・ラフィット社にとって「強盗紳士アルセーヌ・ルパン」をアンリ・グセによる芸術的なカラー表紙とともに3フラン50の新シリーズとして出版することは幸運なスタートであろう。単行本としての均質な形のもとで、気品ある怪盗の手に汗にぎる快挙の物語はモーリス・ルブランの生き生きとした描写力によ
ミュリエル・ジョリヴェ(鳥取絹子訳)『移民と現代フランスーフランスは住めば都か』集英社、2003年 10月27日、二人のアフリカ系の若者が、警官によって変電所に追い詰められて感電、死亡したことに端を発するといわれる暴動は、フランス政府を足元から揺るがす大問題となった。警察は事実関係を否定しており、真相は調査中だが、その後の展開は文字通り共和国の危機となった。 フランス全域に拡大した暴動は、11月7日になっても収まらず、8日フランス政府は臨時閣議で各地の知事が夜間外出禁止令を出せるようにした。半世紀ぶりという強権発動である。このままでは統治能力への国際的な信頼が揺るぎかねず、国内経済への打撃も大きくなるため、短期解決を意図したのだろう。 しかし、移民・外国人労働者問題の研究者としてみると、いつかこうしたことが起きるのではないかという予感のようなものは常にあった。現在展開している事態は、実はか
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