タグ

ブックマーク / blog.goo.ne.jp/old-dreamer (9)

  • グローバル化に取り残された子供たち - 時空を超えて Beyond Time and Space

    フランスの「郊外」暴動はようやく沈静化したようだ。フランス政府も事の重大さに気づき、いくつかの対策を打ち出した。しかし、これらの対応がなんらかの目に見えた効果を生むまでには相当な時間がかかるだろう。他方、極東の国日ではマスコミなどの受け取り方も、文字通り「対岸の火事」としか見ていないようだ。日の若者や地域荒廃の問題と、決して無関係とは思えないのだが、メディアはほとんど通り一遍の言及しかしていない。 映画の伝える若者像 NHKの「クローズアップ現代」(2005年10月21日)は、この点に応えようとしたのか、今年のカンヌ映画祭で(1999年の「ロゼッタ」Rosetta に続き)作品「ある子供」 L'Enfantで、二回目の「黄金の樹」賞 European Palme d'Or を受賞したベルギー人映画監督ジャン・ピエール、リュック・ダルデンヌ兄弟 Jean-Pierre and Luc D

    グローバル化に取り残された子供たち - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/11/25
    『ひとつの大切な点は…熟練・技能、そしてモラルや芸術、人間としての行き方を確実に伝承させてゆくこと』
  • フランス移民政策の行方(II) - 時空を超えて Beyond Time and Space

    郊外 banlieu 前回11月14日のブログで今回のフランスでの暴動について記し、シラク大統領の発言が少ないことに触れた。ド・ヴィルパン首相やサルコジ内相の発言がさまざまに伝えられる中で、これだけの事態に大統領がなぜ自らの見解を示さないのかという疑問があった。ブログに記したように、今から10年前、シラク氏が大統領就任直前に述べた内容からすれば、今回の危機についてもう少し踏み込んでの発言があってしかるべきだと思っていた。 国民に向けて大統領はやっと深部に触れる演説を行った。11月14日夜のテレビ演説で、シラク大統領は「どれだけの履歴書が名前や住所を理由にゴミ箱行きになっていることか」と述べ、はじめて郊外に住む移民の若者が直面する雇用差別の実態についてまで触れた。大統領はやはり問題のありかを知っていたのだ。 フランスはしばしば言葉の咲き栄える国である。大統領の演説には、印象に残るフレーズがち

    フランス移民政策の行方(II) - 時空を超えて Beyond Time and Space
  • フランス移民政策の行方(I) - 時空を超えて Beyond Time and Space

    アンダークラスの反乱 フランス全土に拡大した暴動は、夜間外出禁止令の発動など予想もしなかった事態へと展開した。短期的に強権で押さえ込むことができたとしても、長期的にいかなる結果につながるか、予想がつかない。唯一、はっきりしたことはフランスの移民統合政策が完全に失敗に帰したということである。フランス政府は、早急に根的な政策見直しに迫られた。 11月13日、EUのバローゾ欧州委員長も、最大10億ユーロ(約1400億円)を支援するとの声明を出した。問題の広がりという点で、もはやフランス一国の問題ではないとの認識が広がったのだろう。フランスの危機はEUの危機につながる。 一時はジャーナリスティックにとりあげられていた「国境なきヨーロッパ市民」といった概念が、いかに空虚で現実と遊離しているものかを知らされたといってもよい。 バンリューの惨状 問題の根は深い。The Economist の最近号No

    フランス移民政策の行方(I) - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/11/16
  • 「対岸の火事」ではないフランス暴動 - 時空を超えて Beyond Time and Space

    ミュリエル・ジョリヴェ(鳥取絹子訳)『移民と現代フランスーフランスは住めば都か』集英社、2003年 10月27日、二人のアフリカ系の若者が、警官によって変電所に追い詰められて感電、死亡したことに端を発するといわれる暴動は、フランス政府を足元から揺るがす大問題となった。警察は事実関係を否定しており、真相は調査中だが、その後の展開は文字通り共和国の危機となった。 フランス全域に拡大した暴動は、11月7日になっても収まらず、8日フランス政府は臨時閣議で各地の知事が夜間外出禁止令を出せるようにした。半世紀ぶりという強権発動である。このままでは統治能力への国際的な信頼が揺るぎかねず、国内経済への打撃も大きくなるため、短期解決を意図したのだろう。 しかし、移民・外国人労働者問題の研究者としてみると、いつかこうしたことが起きるのではないかという予感のようなものは常にあった。現在展開している事態は、実はか

    「対岸の火事」ではないフランス暴動 - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/11/11
    ふむ。スターリングの<ヴェンデ>を思い出した。
  • アフリカを離れて - 時空を超えて Beyond Time and Space

    大卒者流出の多い国 「アフリカを離れて」Out of Africa. これはあの有名な映画(*)のタイトルではない。OECDの統計を見ていて、ひとつの衝撃的な統計に出会った。世界のOECD非加盟の主として開発途上国における大学卒業者のうち、外国に居住している者の比率である。まず、自国の大卒者のうち、ほとんどが海外に住んでいる者の比率の高い国のグループをみると、ギアナ(83%)、ジャマイカ(81%)、ハイチ(79%)、トリニダッド・トバゴ(79%)、フィジー(61%)などであり、その後にアンゴラ、サイプラス、モーリタス、モザンビーク(50%)、ガーナ、ウガンダ、タンザニア、ケニヤ、ブルンディ、シェラレオーネ(39%)などが続いている。一見して、アフリカ諸国および島国(island nations)が多いことが分かる。 流出の比較的少ない国 他方、大卒者が外国に居住している者の比率が低い国、言

    アフリカを離れて - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/04/17
  • 災害は必ずやってくる - 時空を超えて Beyond Time and Space

    このところ、インドネシア・スマトラ沖の大地震、津波の後には北九州の地震と、災害が続発している。「災害は忘れた頃にやってくる」とは、寺田寅彦の有名な言葉だが、この頃は忘れないうちにやってくるようだ。 寺田寅彦は、「津波と人間」という随筆で、次のような興味深い言葉も残している。  「しかし困ったことには「自然」は過去の習慣に忠実である。地震や津浪は新思想の流行などには委細かまわず、頑固に、保守的に執念深くやって来るのである。紀元前二十世紀にあったことが紀元二十世紀にも全く同じように行われるのである。科学の方則とは畢竟「自然の記憶の覚え書き」である。自然ほど伝統に忠実なものはないのである。それだからこそ、二十世紀の文明という空虚な名をたのんで、安政の昔の経験を馬鹿にした東京は大正十二年の地震で焼払われたのである。」(昭和八年五月『鉄塔』) 残念なことにわれわれ人間は災害から逃れることはできないよ

    災害は必ずやってくる - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/03/24
  • 試練のヨーロッパ:イスラームと移民政策 - 時空を超えて Beyond Time and Space

    2004年11月2日、アムステルダムの映画監督テオ・ヴァン・ゴッホが暗殺された。暗殺者は若いモスレムの過激主義者であり、脅迫状で予告していた。ヴァン・ゴッホは著名な画家ヴィンセント・ゴッホの血筋をひいているが、イスラーム社会における女性への不当な扱いを映画化し、そのうらみを買った。この映画はオランダのリベラル政治家アヤン・ヒルシ・アリとの共作であったが、アリはソマリアからの難民であり、政略結婚から逃れてオランダに入国を求めた経緯があった。彼女もヴァン・ゴッホと同様な脅迫状を受け取っていた。ヴァン・ゴッホは、2002年に暗殺された反イスラーム、反移民の政治家ピム・フォルティンの支持者でもあった。 アムステルダムでは、直ちに大規模なデモが展開し、イスラームの学校や寺院への報復が行われ、さらにエスカレートしてキリスト教会への報復行為に拡大した。ハーグでの暗殺者の隠れ家捜索では手榴弾が飛び交い、

    試練のヨーロッパ:イスラームと移民政策 - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/03/24
  • 遅すぎた日本の対応 - 時空を超えて Beyond Time and Space

    年3月15日から日政府は、これまで多くの批判があったにもかかわらず継続してきた「興行」の在留資格(芸能人ヴィザ)に関する発給制限を厳格化することに踏み切った。「興行」の在留資格については、この資格で入国した後、ヴィザの目的から外れる「資格外活動」として、風俗営業店などでホステス等として不法就労に従事する外国人がかなりの数に上るとともに、人身売買の被害に遭った外国人の例が多数指摘されてきた。 すでに問題は1980年代から露呈していたのに、有効な施策が講じられることなく放置されてきた。その結果、施策実施の当時者である東京入国管理局長自身が、これも人ごとのような無責任な話だが、事態のひどさを明らかにするほどの段階まできてしまっていた。1995年に自らが調査に携わった店の9割以上で、「資格外活動など」があったという事実まで公開している(『朝日新聞』(2005年2月28日夕刊))。事態はもはや最

    遅すぎた日本の対応 - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/03/24
  • ラ・トゥールを追いかけて(6) - 時空を超えて Beyond Time and Space

    今日は国立西洋美術館「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール」展初日、運良く連続講演会の初回も聴講することができた。講師はジャン・ピエール・キュザン氏(元ルーヴル美術館絵画部長)と日のラ・トゥール研究の第一人者田中英道氏(東北大学教授)であり、願ってもない機会だった。 キュザン氏はラ・トゥールに関して、4つのテーマに整理して短い講演をされた。すなわち、1)イコノグラフィの観点、2)夜と昼の情景、3)真作と偽作(あるいはコピー)、4)主題の反復性についてである。 ひとつのラ・トゥールか、複数のラ・トゥールか。 田中英道氏は、ラ・トゥールの作品の判断を、キュザン氏の想定する基準よりもかなり高い精神性と画家の天性に基準を置いて話をされた。結果として、短いプレゼンテーションに引き続いて行われた両者のディスカッションは、複数のラ・トゥールか単一のラ・トゥールかというきわめて難しい次元の議論となった。すなわち

    ラ・トゥールを追いかけて(6) - 時空を超えて Beyond Time and Space
    facet
    facet 2005/03/23
  • 1