11月9日に打ち上げられたロシアの火星探査機フォボス・グラントは、まだ地球を周回する軌道にあり、交信ができない状態がつづいています。RIA ノーボスチが伝えた最新情報によると、フォボス・グラントが火星に向かうためのウインドウは今日で閉じてしまうとのことで、これが事実なら、火星の衛星フォボスのサンプル・リターンを目指す野心的なミッションはもはや実現不可能ということになってしまいます。 フォボス・グラントはバイコヌール宇宙基地から2段式のゼニット・ロケットによって打ち上げられました。打ち上げ後688秒でゼニット第2段からの切り離しが行われ、フォボス・グラントは207×347kmの地球周回軌道に入りました。この後、フォボス・グラントのMDU 推進ユニットは、250×4170kmへの軌道変更と火星への軌道投入のため、2度のエンジン噴射を自動で行うことになっていました。しかし、エンジン噴射は行われ