広大な国土を有する中国の鉄道交通網は、この20年で目覚ましい発展を遂げた。ただし、日本人がこれを乗りこなそうとすると、思わぬ「カルチャーギャップ」にぶち当たることがあったりする。長年中国と付き合ってきた筆者でさえも、いまだ中国の鉄道サービスについては不慣れなことや驚かされることが多い。そこで筆者は11月に上海を起点に高速鉄道で3往復を敢行。そこで実際に体験した中国鉄道の「珍道中」について紹介しよう。 意外なところが「アナログ」な上海の地下鉄 「交通強国の建設」は中国共産党が掲げる壮大な目標だ。 中国で最後の蒸気機関車が姿を消したのは2005年のこと。その後の10年で高速鉄道が全国を網羅し、総延長距離は2万5000キロにも達した。日本の新幹線の8倍超、実に世界一を誇る距離である。いまや「交通輸送の供給不足は解決し、中国は名実ともに交通強国になった」と中国は自認するようになった。 都市の地下鉄