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ブックマーク / sorae.info (16)

  • 観測史上最も古い「静かな銀河」を120億光年の遠方宇宙で発見

    近年、観測技術の向上によって、およそ138億年前の宇宙誕生から間もない時代の様子が少しずつ判明しています。今回、ハワイに建設された天体望遠鏡を使った観測によって、120億年前の時点ですでに星形成が終わりつつある巨大な銀河が見つかりました。 ■宇宙誕生から20億年ほどの間に急成長した巨大な銀河白い点線で囲まれているのが、今回観測された約120億光年先の銀河。星形成を終えて静かになりつつあるとみられている(Credit: 国立天文台)田中賢幸氏(国立天文台/総合研究大学院大学)らの研究チームは、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」によって発見された遠方宇宙の銀河のひとつを、すばる望遠鏡と同じマウナケア山に建設されたW.M.ケック天文台の「ケック望遠鏡」を使って詳細に観測しました。 初期宇宙に観測される銀河の多くでは豊富なガスから急速に星が形成される「スターバースト」が起きていますが、およそ

    観測史上最も古い「静かな銀河」を120億光年の遠方宇宙で発見
  • ボイジャーが到達した「星間空間」との境界とは 徹底解説

    既報の通り、NASAの無人探査機「ボイジャー2号」の観測データを用いた論文5が、11月4日付で「Nature Astronomy」に掲載されました。 史上2番目に「星間空間」に到達したボイジャー2号のデータから、太陽圏と星間空間の境界がどのような様子なのか、新たな知識がもたらされています。 ボイジャーが越えたのは、星々の世界へ向かう途中に存在する「境界」太陽圏(Heliosphere)の模式図。青が末端衝撃波面(Termination Shock)、水色の縁がヘリオポーズ(Heliopause)、その間にある領域がヘリオシース(Heliosheath)(Credit: NASA/JPL-Caltech)太陽から日々放出されている太陽風(プラズマ)は、惑星の軌道を超えて外側へと広がっていき、星間物質(星々の間に広がる星間空間にあるガスや塵)に衝突して速度を落とします。衝突後の太陽風は減速し

    ボイジャーが到達した「星間空間」との境界とは 徹底解説
  • あなたも市民天文学者に。遊びながら天文学に貢献できる「GALAXY CRUISE」

    国立天文台は11月1日、ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」が撮影した物の銀河の画像を分類するゲーム感覚のボランティアプロジェクト「GALAXY CRUISE(ギャラクシークルーズ)」をスタートしました。パソコンのブラウザとインターネット接続環境されあれば、誰でもプロジェクトに参加することができます。 ■市民天文学者として銀河の形状や衝突の様子を分類GALAXY CRUISEのトップページ(Credit: 国立天文台)すばる望遠鏡では「超広視野主焦点カメラ(HSC)」を使った広大な夜空の観測が2014年から続けられています。そこには数多くの銀河が写し出されているのですが、あまりにも数が多く、研究者だけでは分類しきれないといいます。 今回スタートしたGALAXY CRUISEは、すばる望遠鏡が撮影した銀河を市民ボランティアの手を借りて分類するためのプロジェクトです。参加者は「市民天文学者」とし

    あなたも市民天文学者に。遊びながら天文学に貢献できる「GALAXY CRUISE」
  • ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開

    ブラックホールの見え方をシミュレートした想像図(静止画)NASAは9月26日、ブラックホールの見え方を視覚化した一連のシミュレーション動画を公開しました。こちらはそのひとつで、ブラックホールを横から観察するとどのように見えるのかをシミュレートしたものになります。 ■見えているのは「吸い込まれかけたガス」が輝く降着円盤といっても、光さえも抜け出すことができないブラックホールを直接見ることはできません。オレンジ色に輝いているのは、ブラックホールに吸い込まれかけている高温のガスなどが高速で周回する「降着円盤」と呼ばれるもの。円盤と名付けられてはいますが、その中心にはブラックホールがあるので、実際には幅の広い輪のような構造をしていると考えられています。 動画では、左向きに回転している降着円盤をやや斜め上から見下ろしたときの様子が再現されているのですが、右からブラックホールの裏側に回り込んでいくはず

    ブラックホールはどう見える? NASAが新しいシミュレーション動画を公開
  • はやぶさ2、2回目のタッチダウンに成功!

    探査機「はやぶさ2」のプロジェクトチームは、小惑星「リュウグウ」への2回目のタッチダウンが成功したことを確認しました。 7月10日に高度2万メートルから降下を開始したはやぶさ2は、11日には自立運転に切り替え、ターゲットマーカーを目指して高度を下げていました。そして、11日午前、無事着陸ミッションを成功させました。 今回はやぶさ2は、4月に弾丸を打ち込むことで作成した人工クレーター付近へと着陸しています。そして、クレーター作成時に露出した、リュウグウの内部の岩石の採取を目標としています。 はやぶさ2は、今年2月に初となるリュウグウへの着陸に成功しました。今後は夏頃に小型ロボットをリュウグウへと投下し、10月〜11月にはリュウグウを離れ、2020年末に地球へと帰還する予定です。 Image Credit:JAXA 文/塚直樹

    はやぶさ2、2回目のタッチダウンに成功!
  • 初期宇宙のブラックホールは直接崩壊で誕生した可能性

    カナダのウエスタン大学(ウエスタン・オンタリオ大学)は6月28日、初期の宇宙では恒星の超新星爆発を必要とせずに直接ブラックホールが形成されたとするShantanu Basu氏とArpan Das氏による研究結果を発表しました。 今からおよそ130億年前(ビッグバンから8億年ほど)の初期宇宙を対象としたこれまでの観測では、強力な電磁波を発する「クエーサー」の存在などを通して、当時すでに超大質量ブラックホールが存在していたらしいことがわかっています。 しかし、現在の宇宙のように「重い恒星が超新星爆発を起こしたときにブラックホールが誕生する」と仮定した場合、ビッグバンから8億年程度では時間が足りず、このタイミングで超大質量ブラックホールが存在する理由をうまく説明することができませんでした。 この謎を説明するために近年浮上してきたのが「direct collapse(直接崩壊)」という新しいシナリ

    初期宇宙のブラックホールは直接崩壊で誕生した可能性
  • 木星の衛星エウロパの黄色い模様は「塩」だった

    こちらの画像は、NASAの木星探査機「ガリレオ」に搭載されていた光学観測装置「SSI」を使って撮影された、木星の衛星「エウロパ」の姿。左は自然な色合いを再現したもので、右は表面の特徴がわかりやすくなるように色合いを強調したものとなります。 エウロパに向かって右側には、赤茶色をした何もの線条が走っています。反対の左側に線条はあまり見られず、かわりに「Tara Regio(タラ地域)」と呼ばれる黄色っぽいエリアが広がっています。 ガリレオが撮影したエウロパ(左:自然な色合い、右:色合いを強調)カリフォルニア工科大学の大学院生Samantha Trumbo氏らによってまとめられ、6月12日に公開された論文によると、エウロパのタラ地域には塩化ナトリウムが豊富に存在していることが判明しました。 「NaCl」の化学式で示される塩化ナトリウムは、私たちが日頃摂取している塩の主成分であり、地球の海水に

    木星の衛星エウロパの黄色い模様は「塩」だった
  • 自転する太陽系8惑星を比較した動画が面白い!横倒しや逆回転も

    太陽系の8つの惑星が自転する様子をCGで再現した動画を作成したのは、現在JAXA(宇宙航空研究開発機構)に所属する惑星科学者のJames O’Donoghue(ジェームズ・オドノヒュー)氏です。 宇宙に関する写真や動画をNASAが毎日1点ずつ紹介しているウェブサイト「Astronomy Picture of the Day(APOD)」に2019年5月20日付で掲載されたもので、APODおよびオドノヒュー氏のYouTubeチャンネルにて公開されています。 おなじみの太陽系惑星は、上段左から「水星(Mercury)」「金星(Venus)」「地球(Earth)」「火星(Mars)」、下段左から「木星(Jupiter)」「土星(Saturn)」「天王星(Uranus)」「海王星(Neptune)」の順に並んでいます。サイズはすべて同じ大きさになるよう調整されていて、自転の速度は地球の1日が数秒に

    自転する太陽系8惑星を比較した動画が面白い!横倒しや逆回転も
  • それは起源の答えにつながる旅路。「はやぶさ2」の観測成果をもとにした論文が一挙に3編掲載

    2019年3月20日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星「リュウグウ」の観測成果をもとにした3編の論文が「サイエンス」誌のWebサイトに掲載されたことを発表しました。 その内容を簡単にまとめると、以下のようになります。 ・リュウグウが今の姿になった過程を分析 ・リュウグウの表面に水分を含む鉱物(含水鉱物)を発見 ・リュウグウの観測からその元になった天体(母天体)の歴史を推測 特に注目を集めているのは、2番目の「水分を含む鉱物の発見」です。 「はやぶさ2」がリュウグウに到着して間もない2018年8月の時点では水の痕跡が確認されず、一旦は「表面の水は予想よりも枯渇しているようだ」と判断されていました。その後、リュウグウの表面から反射された赤外線を詳しく分析したところ、「水酸基(-OH)」の形で水を内部に取り込んだ鉱物の存在を示すデータが得られたのです。

    それは起源の答えにつながる旅路。「はやぶさ2」の観測成果をもとにした論文が一挙に3編掲載
  • 遠くを見れば過去がわかる。「すばる望遠鏡」が130億光年彼方の巨大ブラックホールを大量に発見

    愛媛大学の松岡良樹氏が率いる国際研究チームは、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」における最新鋭の観測装置「超広視野主焦点カメラ(HSC)」を使った観測で、地球からおよそ130億光年離れた遠い宇宙に83個という大量の「巨大ブラックホール」を新たに発見しました。 下の画像で拡大された正方形の範囲の中央、矢印が指し示す赤い点のような天体は、今回すばる望遠鏡が捉えたなかでも一番遠い、130.5億光年先にある巨大ブラックホールです。これまで見つかった最も遠い巨大ブラックホールまでの距離は131.1億光年で、その次は130.5億光年ですから、この発見は2位タイの記録ということになります。 画像を拡大しても見落としてしまいそうなほど小さな点として捉えられた巨大ブラックホールですが、宇宙初期の歴史を理解する上での大きなヒントとなりました。 そもそも、これほどまでに遠い宇宙の観測に挑戦するのはなぜなの

    遠くを見れば過去がわかる。「すばる望遠鏡」が130億光年彼方の巨大ブラックホールを大量に発見
  • やはり太陽系外惑星だった!ケプラーが初期に発見した「Kepler-1658b」を新たな手法で確認

    この画像は、太陽のおよそ1.5倍の質量を持つ恒星「ケプラー1658」と、その周囲をわずか3.85日で公転する系外惑星「ケプラー1658b」を描いた想像図です。ケプラー1658bは主星にとても近い軌道を公転する「ホットジュピター」の一つとされています。 ケプラー1658bを発見したのは、今から10年前の2009年3月に打ち上げられ、数多くの系外惑星発見に貢献したNASAの宇宙望遠鏡「ケプラー」です。 ケプラー1658bはケプラー宇宙望遠鏡の観測による最初の系外惑星候補のひとつでしたが、後に誤検知だったとして取り下げられていました。その理由は、主星であるケプラー1658のサイズが、今よりも小さく見積もられていたためです。 状況が変わったのは2017年。ハワイ大学天文学研究所の大学院生Ashley Chontos氏が、恒星が発する音波を用いた新しい手法でケプラー宇宙望遠鏡の観測データを再分析した

    やはり太陽系外惑星だった!ケプラーが初期に発見した「Kepler-1658b」を新たな手法で確認
  • リュウグウの高解像度立体視画像が公開

    小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトサイトは、目標とする小惑星「リュウグウ」の高解像度立体視画像を公開しています。 今回の画像は、はやぶさ2がリュウグウに高度約6kmまで近づいた際に、リュウグウの自転にともない角度が徐々に変わることを利用した立体視可能な赤青の合成画像です。市販の赤青立体メガネを装着すれば、リュウグウの全体形状や表面の地形が立体的に把握できます。なお、オリジナルサイズの画像はこちらのリンクから参照できます。 さらに、ミュージシャンかつ天文学者のブライアン・メイ氏は上の画像から両眼立体視の画像を制作しています。こちらは赤青メガネなしでも楽しむことができます。 Image Credit: JAXA, 会津大, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 産総研 ■リュウグウの高解像度立体視画像 http://www.hayabusa2.jaxa.jp/t

    リュウグウの高解像度立体視画像が公開
  • 火星の巨大クレーター「アラム・カオス」に存在する、大洪水の跡

    NASAのマーズ・リコネッサンス・オービター(火星探査機)が捉えたこの画像は、火星の巨大クレーター「Aram Chaos」(アラム・カオス)の一部分で、大きな湖があったこと示しています。 クレーターといえば円形をイメージしますが、様々な要因によって不規則に変形を繰り返した結果、カオス状態になったものがあり、アラム・カオスはその代表的な例です。 アラム・カオスの直径は約280Km。酸化鉱物が発見されたことからこの辺りにはかつて水があったと考えられているのです。 画像の洪水跡は、約2億5千年前以上前に周辺を含む地形から湧き出た地下水によって作られたもので、数週間から数ヶ月以内という短期間に出来たと推測され、またクレーター部分の底には砂丘が数多く点在しています。 「火星には水が存在した」という定説は以前より言われていますが、火星で見られる玄武岩は地球上のものよりも保水率が高いともいわれ、やはり過

    火星の巨大クレーター「アラム・カオス」に存在する、大洪水の跡
  • 宇宙望遠鏡「ケプラー」休止モードへ 燃料ほぼ尽き、今後データを転送

    これまで惑星探査で大いに活躍してきた、「ケプラー」宇宙望遠鏡。そのケプラーの燃料がほぼ尽き、「休止モード」に入ったことがNASAから発表されました。 ケプラーは2009年に打ち上げられ、恒星の明るさの変化を利用した「トランジット法」にて数多くの系外惑星を観測。その中には、生命の存在が可能と思われる「ハビタブル惑星」も多数存在します。 今後、ケプラーは8月に復帰し地球へとアンテナを向け、最新の観測データを送信します。このマヌーバ(操作)に必要な燃料がまだ残っているかどうかは不明ですが、これに成功すればさらなる「K2ミッション」の継続が予定されています。 なお、NASAはすでに新型惑星探査衛星「TESS(トランジット系外惑星探索衛星)」を打ち上げています。 Image Credit:NASA ■NASA put its famous planet-hunting telescope to sl

    宇宙望遠鏡「ケプラー」休止モードへ 燃料ほぼ尽き、今後データを転送
  • はやぶさ2、「リュウグウ」スタートラッカで撮影成功

    スタートラッカによって撮影されたリュウグウ(Credit:JAXA) 現在小惑星「リュウグウ」を目指して旅を続けている探査機「はやぶさ2」ですが、同探査機はスタートラッカを利用したリュウグウの撮影に成功しました。 (※スタートラッカとは、通常は恒星の位置を計測することで探査機の姿勢を推定することに使われる装置のこと) イオンエンジンでの航行が続けられているはやぶさ2ですが、5月11日に1度エンジンを停止し、14日までスタートラッカでリュウグウを撮影。このデータはリュウグウへの軌道など、光学航法に利用されます。 Image Credit: JAXA Source: JAXA 文/塚直樹

    はやぶさ2、「リュウグウ」スタートラッカで撮影成功
  • 「ファルコン9 ブロック5」ロケット、スペースXが5月10日に打ち上げへ

    スペースXが開発するロケット「ファルコン9」の最終モデルとなる、「ファルコン9 ブロック5」。以前より開発が進められていたこちらのロケットが、2018年5月10日(現地時間)にケネディ宇宙センターの第39A発射台から打ち上げられることとなりました。 ファルコン9 ブロック5はファルコン9の最新バージョンで、第1段はチェック作業のみで10回以上の再使用に耐えられ、さらにリファービッシュにより最終的には100回以上の再使用にも耐えられるとされています。さらにグリッドフィンや着陸脚が黒色に変更されており、見た目にもその違いがわかりやすくなっています。 なお、5月10日に打ち上げるのはバングラディッシュの通信衛星「Bangabandhu Satellite-1」。ファルコン9 ブロック5は5月4日にスタティック・ファイア・テストも実施しています。さらに、将来的にこのバージョンではNASAの宇宙飛行

    「ファルコン9 ブロック5」ロケット、スペースXが5月10日に打ち上げへ
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