近年、観測技術の向上によって、およそ138億年前の宇宙誕生から間もない時代の様子が少しずつ判明しています。今回、ハワイに建設された天体望遠鏡を使った観測によって、120億年前の時点ですでに星形成が終わりつつある巨大な銀河が見つかりました。 ■宇宙誕生から20億年ほどの間に急成長した巨大な銀河白い点線で囲まれているのが、今回観測された約120億光年先の銀河。星形成を終えて静かになりつつあるとみられている(Credit: 国立天文台)田中賢幸氏(国立天文台/総合研究大学院大学)らの研究チームは、国立天文台ハワイ観測所の「すばる望遠鏡」によって発見された遠方宇宙の銀河のひとつを、すばる望遠鏡と同じマウナケア山に建設されたW.M.ケック天文台の「ケック望遠鏡」を使って詳細に観測しました。 初期宇宙に観測される銀河の多くでは豊富なガスから急速に星が形成される「スターバースト」が起きていますが、およそ