宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、9月3日に開催された宇宙開発利用部会でX線天文衛星「すざく」の科学観測を終了することを報告、了承された。 X線天文衛星「すざく」は、宇宙の高温プラズマの高精細な分光観測、高感度・広帯域の測光・分光観測によりブラックホール周辺物質の運動や銀河団の形成・進化の問題に新しい光を当てることを目的に、2005年7月10日にM‐Vロケット6号機によって打ち上げられた。 その後、観測運用の想定を大幅に超える約10年間にわたって継続し、広い波長域で世界最高レベルの感度を達成するなど、優れた観測能力を実証し、宇宙の構造形成やブラックホール直近領域の探査などで重要な科学的成果をあげてきた。 衛星搭載バッテリの劣化が進み、観測継続のためにバッテリの使用方法を工夫しながら科学観測を続けていたが、今年6月1日に、衛星の動作状況を知らせる通信が間欠的にしか確立できない状態が確認され