見渡す限りの海面をナガスクジラの群れが埋め尽くし、その吐く息によって水平線はかすんでいた。 2022年1月、極地探検クルーズ船「ナショナル ジオグラフィック・エンデュアランス」号の乗客と乗員は、南極半島の近くでこの神秘的な光景に遭遇した。商業捕鯨によってナガスクジラが絶滅の危機に追い込まれてからは、観測されることのなかった規模の大群だ。(参考記事:「【動画】巨大クジラが300頭を超える「大宴会」、撮影に成功」) 「コロネーション島の北を航行していた私たちを出迎えたのは、信じられないような光景でした。水平線のあちらこちらでクジラたちが潮を吹き上げていたのです」と、動物学者のコナー・ライアン氏は語る。ライアン氏は、クルーズ旅行会社「リンドブラッド・エクスペディションズ」が運航する「ナショナル ジオグラフィック・エンデュアランス」号の専属博物学者でもある。 「近づくにつれ、私たちは、クジラたちが
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