タグ

ブックマーク / ryojikaneko.blog78.fc2.com (9)

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 CFW-Japanを振り返って(1)

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 皆さま、遅ればせながら、あけましておめでとうございます。年末年始と2週間ほど釜石、大槌に入っておりまして、あまりにもなじんでしまい、あれこっちに住むんじゃないのと言われる始末でした笑。有り難いことです。でも、しっかりいろんな方にもお会いしてきましたよ。そんなわけで、今年は年賀状を書く時間もなく、欠礼しております。もう少し余裕が出来たら、お手紙を書かせていただきたいと存じます。ごめんなさい。 刺し子プロジェクトの吉野さんが、震災以後に会う人とそれまでの友人とは全然、濃さが違うというような話をされていて、私もまったく同感でした。被災地、あるいは支援活動で会う人は、一瞬で、普段の人間関係なら考えられないようなことまで、深く付き合うことになったりし

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 『社会調査史のリテラシー』の感想

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 文芸評論を読むならば作家の書いたものだけでいい、とどこかの対談で谷沢永一が語っていた。谷沢自身は北原武夫や平野謙などに高い評価を与えているが、たとえば彼の書いた三好達治の伊藤整の詩を評したもの、川端康成の文芸評論などの解説を読むと、言わんとしていることが分からなくもない。ただし、その解説自体が、谷沢自身が示した新機軸というか、人の文学に対する谷沢の評価があり、それを前提に文芸評論がまた評価されている、というやや込み入った事情を押さえておく必要がある。 あるとき、「実証研究における方法は研究の中に埋め込まれるものである」ゼミで工藤章先生が語っていたことがあった。工藤先生は雑談ではそういうヒロイックな言い切り型の言葉を好まれていた。そして、先

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 自分のなかに歴史をよむ

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 今月の頭に6大学合同のゼミ合宿なるものにコメンテーターとして呼ばれ、学生の報告にコメントして参りました。行く前から学生が優秀だという話は聞いていたけれども、実際、優秀でした。正直、驚きました。私のコメントの姿勢は出来るだけ学生の皆さんのよいところを探してそれを褒めるというのが原則ですが、もっとも内容のレベルが高かった埼玉大(禹さんのゼミ)の報告にだけは厳しいコメントをしました。 正直に白状しますと、彼らに向かって言った二つ目のコメント、聴衆を見て、分かる言葉で語りかけなければならない、というのは私にこそ必要な言葉です。ただ、彼らには学部レベルの報告としてこれ以上、どこにも文句のつけようがなかった。いや、多分、そのあたりの労使関係研究者だって

    ishikawa-kz
    ishikawa-kz 2010/11/19
    「そういう経験から振り返ってみると、やはり、現代の自分という問題意識は重要です。もちろん、ここでいう自分は生活実感レベルには留まっていません。」
  • 大卒の就職が厳しいのは景気と労働市場の需給で説明できるんじゃないか :社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 濱口先生から前のエントリを紹介していただいたのですが、後半の論旨がやや誤解が入っているというか、意図的にそうされているのかな、という感じがして、真意がどうも掴めない。 私はあえて言えば、偏差値が低い大学でも優秀な子はそれなりに就職を見つけていると思うので、その点はあまり心配していません。そりゃ名の通った一流大企業には行けないかもしれませんが(行く子もいますよ)、別にいいじゃないですか、それでも立派に働いて生活が成り立てば。偏差値が低くても、ちゃんと就職活動をやっている子の内定率がいい大学ってありますよ。宣伝していいかどうか聞いてないので、あえて名前も数値も出しませんが。そういう意味ではちゃんと人を見てくれなんて言いません。ちゃんと会社によ

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 刑務官の待遇改善のための労使関係論

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 前に安原宏美さんから紹介されて浜井宏一さんの著書を何冊か読んだので、刑務所には興味を持っています。社会政策は警察と福祉がセットであったポリツァイを忘れてはならないというのが私のテーゼなので。 江川昭子さんと中村哲治議員のツイートのやりとりに割って入ったんですが、労使関係にかかわる問題で、そんなに複雑なことではないと思うので、簡単に書いておきます。 議論の発端は刑務官の労働条件を向上させるために、江川さんが労働三権のうち、団結権だけは与えたらどうかと問題提起をされ、中村議員からは治安職種に労働三権を与えるのは難しいので、政務三役が政府内でしっかり交渉することが重要と答えられたわけです。そこに@kogemayoさんが、国によっては警察にスト権を

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 非「教育」の論理は職業訓練を救わない:『非「教育」の論理』に寄せて

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 8月7日の検討会に寄稿した書評です。萬年先生のところで言及されていたやつです。 非「教育」と強制の論理 編著者の田中萬年氏は職業訓練論の第一人者であり,また同時に現役の実践者である。田中氏の問題意識は,職業訓練ないし職業教育が普通教育に比べて不当に低く評価されてきた状況を改善しようという点にあるように見受けられる。もし非「教育」の論理のうちに単に社会科学的な考証という意味以上に,こうした現状を打破するための実践的性格が込められているとするならば,その試みは幾つかの意味で失敗に終わっていると言わざるを得ない。私はこの文章を田中説の批判者として,同時に田中氏と志を同じくする者として書きたいと思う。 第一に,「教育」という言葉の起源に「強制」の意

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 教育論と技能形成論は接続できるのか?(4) つけたり

    前回、体系という話を出したので、職業教育から話を一般教育に持っていくことが可能だと思います。 この問題について、私がとりあえず、読むべきだと思っているのは藤澤伸介『ごまかし勉強』上下、新曜社、2002年です。とりわけ、今、「ゆとり教育」の影響で指示待ち社員が増えて、困っていると思っていらっしゃる人事担当者(じゃなくても現場の方でもいいですが)は必読です。原因は「ゆとり」じゃないんですよ。 最初に言っておきますが、私は藤澤先生の議論に全部、賛成しているわけではありません。しかし、このに書いてあることを読むのと読まないのでは、全然、現状認識が変わってくると思います。少し背景の話から入りましょうか。 一般には、1999年から数年にわたって展開された学力低下論争を記憶されている方も多いと思います。あの論争自体は、苅谷剛彦先生や京大の西村信雄先生、精神科医の和田秀樹先生などが一方の主役でした。ただ

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 岡村重夫は偉大である

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 どうもここのところ、社会政策や社会福祉の研究をダーッと読んでいて、一つの結論に辿り着いた。あまりにも当たり前のことと思われるかもしれないが、岡村重夫は偉大である、ということだ。あまりにも偉大すぎて、敬称をつけるのも白々しい。 社会政策や社会福祉の分野では、独自のディシプリンを発見しようと研究者たちはそれこそ、何十年にもわたって、問題提起を繰り返し、見つからないことに苛立ってきた。そういう試みも実は、1990年秋の北海道大学大会で終わりを告げたように思う。もちろん、個々の研究者は研究を継続させていると思うが、残念ながら、それが一つの潮流になりそうな傾向は感じられない。記録を見ると、1997年の100周年大会はさすがにタイトルは社会政策全体にか

  • 社会政策・労働問題研究の歴史分析、メモ帳 教育論と技能形成論を接続できるか?(1)

    社会政策・労働問題研究について歴史的なアプローチで研究しています。ここではそのアイディアやご迷惑にならない範囲で身近な方をご紹介したいと考えています。 森直人さんからリプライ(?)を頂いたので、私も前々から書きたかったことと私の勉強してきた技能形成論をあわせて書いてみたいと思います。多分、濱口先生からの宿題にも繋がっていくはず(?)です。 森さんが以前、ご自分の講義に(職業的レリバンス)ありやなしや、と、問われたことがありました。実はこのエントリがとても印象に残って、ここから何かを考えてみたいとこれを読んで以来、思っていました。私も圧倒的な情報量を与えるという点ではとても共感しました。私の場合、あえてロジカルに濃縮せずに、生のままで触れてもらおうと意識しています。割と「僕はこの問題はここまで考えたけど、その先は詰められてない」とかよく語りましたから。もっとも学生からのアンケートで「伝えたい

  • 1