裏切られた期待 1月14日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は大統領府で年頭の記者会見に臨んだ。内政から外交まで幅広い質問が飛び交うなか、文氏は日韓関係にも言及した。 だが、その内容は悲しいかな、先祖返り、原点回帰という内容だった。日韓間の最大の懸案事項となっている徴用工判決問題について、文氏は「韓国政府はすでに数回にわたって解決策を提示してきた。日本も解決策を提示しながら韓国と一緒に考えるべきだ」と語った。 安倍晋三首相は、まだ1カ月前にもならない昨年12月24日、中国・成都での日韓首脳会談で、こう呼びかけていた。「韓国政府の責任で問題を解決してほしい」。 日本政府は過去、日本企業に元徴用工らへの損害賠償を命じた韓国大法院(最高裁)判決が、1965年の日韓請求権協定を破壊すると主張。韓国が自らこの問題を解決してほしいと訴えてきた。 日本が徴用工判決の解決に乗り出せば、この主張を覆すこ