世界経済フォーラムが2019年末に発表したジェンダー・ギャップ指数で、日本は153カ国中、過去最低の121位となった。下落する一方の日本に今、何が必要なのか。認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の上野千鶴子理事長に話を聞いた。 ――ランキングは18年の110位から大きく下がりました。 「悪化したのではなく、変化しなかったのです。諸外国が大きく男女平等を推進している間、日本は何もしなかった。だから結果として順位を下げたのです」 「国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が日本に出す勧告がいい例です。選択的夫婦別姓などを早くから指摘されているのに何もしない。選択的夫婦別姓の導入はコストがゼロで効果が出せる施策なのにそれでもやらない。政権与党に本気で変える気がないからです」 ――女性活躍推進法などの法整備は進みました。 「罰則規定がないので実効性がありません。例えば、候補者がで