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文化と産経新聞に関するkanoetatsuのブックマーク (261)

  • 黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答

    織田信長に仕えた黒人の「弥助」を主人公の侍にしてフランスのゲーム会社が発売予定するソフトがSNSなどで「炎上」している問題で、政治団体「NHKから国民を守る党」の浜田聡参院議員は文部科学省などに見解を尋ね、文科省は24日までに「公序良俗に反する内容が疑われる場合は慎重な対応が求められる」などと回答した。浜田氏の秘書が公表した。ソフトは史実に関する描写の正確性などが問題視されており、発売中止を求めるオンライン署名活動に発展している。 炎上しているのは仏ユービーアイ(UBI)ソフトが11月に発売する『アサシン クリード シャドウズ』。今年5月、2人いる主人公の1人が弥助だと公表されると、実在の人物である弥助に関して「当に侍だったか」などと論争が起きた。弥助を巡っては、2019年に日大学准教授のトーマス・ロックリー氏が著書で、戦国時代の日について「アフリカ人奴隷を使うという流行が始まったよ

    黒人侍「弥助」の仏ゲーム、文科省「公序良俗反するなら慎重に対応」 浜田聡氏に回答
  • 戦国舞台ゲーム「弥助」の誤認識拡散、内藤陽介氏「正確な情報発信を」栃木「正論」友の会

    「迷走する国際情勢の背景を読み解く」と題して講演する郵便学者で作家の内藤陽介氏=20日、宇都宮市陽西町の栃木県護国神社(伊沢利幸撮影) 「栃木『正論』友の会」の第22回講演会が20日、宇都宮市陽西町の栃木県護国神社で開かれ、郵便学者で作家の内藤陽介氏が「迷走する国際情勢の背景を読み解く」と題して講演した。内藤氏は、戦国時代の日を舞台とした11月に発売予定のゲームをめぐるインターネット上の〝炎上〟騒動を取り上げ、日歴史に関する誤った認識が国際的に広まりかねないとして、早期に正確な情報発信を行う必要があると訴えた。 このゲームは、「アサシン クリード シャドウズ」で、フランスのユービーアイソフトによる「アサシン クリード」シリーズの最新作。戦国時代の日で織田信長に仕えた黒人として知られる「弥助」を主人公の一人に据えている。6月に日語吹替版ゲームプレートレーラー(宣伝用の予告映像)が公

    戦国舞台ゲーム「弥助」の誤認識拡散、内藤陽介氏「正確な情報発信を」栃木「正論」友の会
  • 「日本史を侮辱」戦国時代舞台の仏ゲーム、販売中止署名に9万超 主人公「弥助」巡り論争

    11月発売予定のゲーム『アサシン クリード シャドウズ』の設定を巡り、SNSなどで論争が過熱している=東京都千代田区(鈴木健児撮影) フランスのゲーム会社が発売を予定しているソフトがSNSなどで〝炎上〟し、発売中止を求めるオンライン署名の賛同者が10万人をうかがう勢いになっている。舞台は戦国時代の日だが、主人公の1人を織田信長に仕えた実在の人物で黒人の「弥助」にしたことで、不確かな内容が史実として海外で拡散されることを懸念する声が上がった。署名の呼びかけ人は「日文化歴史に対する深刻な侮辱」だと主張する。会社側は23日に声明を出し、「日の皆さまにご懸念を生じさせたことについて、心よりお詫び申し上げます」としたが、ゲームの設定は維持する考えで、反発が収まるかは予断を許さない。 宣教師と来日、信長に仕えるこのゲームは、仏ユービーアイ(UBI)ソフトが11月15日にプレイステーション5や

    「日本史を侮辱」戦国時代舞台の仏ゲーム、販売中止署名に9万超 主人公「弥助」巡り論争
  • 「らんま1/2」新作アニメ、10月から日本テレビ系で放送 山口勝平「僕のルーツ」

    高橋留美子のラブコメディー漫画が原作の人気テレビアニメ「らんま1/2」の新作が、10月から日テレビ系で放送、ネットフリックスで独占配信されることが決まり、東京都内で発表会が開かれた。 1989~92年に放送された前作に続き主人公・早乙女乱馬役を演じる山口勝平は「声優としての僕のルーツに当たる作品。いずれはリメークされるのではと思った」と喜びを語った。 乱馬は中国での修行中、水をかぶると女性になり、お湯をかぶると男性に戻る不思議な体質になってしまった。帰国した乱馬は父と共に、いいなずけの天道あかねの家に居候することになり…。 山口の他にも主要キャストの多くが前作から続投。女性になった乱馬を演じる林原めぐみは「人間力にあふれている作品。ぜひ気軽な気持ちで楽しんでもらいたい」。あかね役の日高のり子は「当にらんま1/2は楽しかった。(今作も)絶対にやりたかった」と笑顔だった。

    「らんま1/2」新作アニメ、10月から日本テレビ系で放送 山口勝平「僕のルーツ」
  • いつまで不在なのか、現代日本の新しい父親像 文化部・村嶋和樹 <文芸時評>令和6年7月号

    『文学界』7月号家族の中で最初に風呂に入るのは誰か。仕事から帰った父親が一番風呂を浴びると、祖父母や子供たちがこれに続き、夜が更けてからようやく家事を終えた母親が家族の脂と髪の毛が浮いた湯船につかる-。都会に住む勤め人の核家族世帯はともかく、地方の自営業者の3世代世帯では、つい30年ほど前まではさほど珍しくなかった光景だ。 古川真人『風呂の順番』(文学界)は、年の瀬に母親・大村美穂の生家がある長崎の島に帰省した5人家族の一夜の会話劇と回想を軸に展開する。

    いつまで不在なのか、現代日本の新しい父親像 文化部・村嶋和樹 <文芸時評>令和6年7月号
  • <正論>元号「令和」の意義に思いを致す  文芸批評家・新保祐司

    新保祐司氏令和の改元から5年余り経(た)った。その間には、コロナ禍の3年間があった。ロシアによるウクライナ侵略が勃発し、ハマスとイスラエルの戦争も続いている。国内はというと、政党政治の混迷が深まっている。どうも、令和の初年は、激動と沈滞が混ざった時代になっている。将来についても衰退の予感が人々の心に広まっているように感じられる。 「万葉集の精神」回想そういう時代思潮を転換させるためには、ここで、令和という元号が万葉集に由来することの意義に改めて思いを致すことが大切ではないか。

    <正論>元号「令和」の意義に思いを致す  文芸批評家・新保祐司
  • 「名探偵コナン」安室透役の声優・古谷徹さん降板 女性問題報道「迷惑かけた」

    人気アニメ「名探偵コナン」の主要キャラクターの安室透役や、「ONE PIECE」のサボ役を務める声優、古谷徹さん(70)が22日、2作品を降板したと所属事務所の公式サイトで発表した。 古谷さんは週刊誌に女性との問題が報じられており、公式サイトを通じて「私の身勝手な行動により皆さまにご迷惑をかけ、作品およびキャラクターのイメージを大きく傷つけてしまった。今の自分に唯一できる償いの形として、断腸の思いで降板することにいたしました」などと謝罪した。

    「名探偵コナン」安室透役の声優・古谷徹さん降板 女性問題報道「迷惑かけた」
  • 「島育ち」の今昔物語 日曜に書く 論説委員・別府育郎

    田端義夫物語は、東京・新橋の沖縄料理店に始まる。その夜、歌手の田端義夫が飲んでいた。 戦前に「別れ船」、終戦後は「かえり船」などのマドロス歌謡で知られた田端だが、昭和30年ごろからはヒット曲に恵まれず、数千を数えた後援会員はわずか8人に減っていた。 くすぶる田端を前に、5人組の少女が歌いだした。「赤い蘇鉄(そてつ)の実も熟(う)れるころ…」 「これだ。こういう歌を俺は探していたんだ」。戦前から奄美で歌い継がれる「島育ち」だった。田端はさっそく所属のテイチクに持ち込んだが、幹部は「これは売れない」と口をそろえた。反対を強引に押し切っての録音は自身のギターと太鼓のみという最小編成だったが、レコードは売れた。あれよと40万枚を超え、自ら出演した同名映画も封切られた。 「奇跡の復活」と書かれたが田端は後年の紙の取材に「それは違う。言うなら執念のヒット。この歌でもう一度勝負しようと、命懸けで歌った

    「島育ち」の今昔物語 日曜に書く 論説委員・別府育郎
  • <正論>ミステリー文学をいかに読むか  東京大学名誉教授・平川祐弘

    平川祐弘氏「娘は高校時代は漱石の『坊ちゃん』、大学に入り立ては『三四郎』に夢中でしたが、専門課程に進んでからは、スマホでミステリーに読み耽(ふけ)っている。困ったものです」と知人がこぼす。 「若者は新聞も読まない。頭も悪くなった。気力もない」 古屋めぐりが中学生以来の楽しみだった昭和育ちの私は、そんな書物ばなれの話を聞くと、文化の衰退そのものに思えて寂しい。

    <正論>ミステリー文学をいかに読むか  東京大学名誉教授・平川祐弘
  • 自由社会で人はなぜ不自由を選ぶ? SNS先取りする不条理世界 安部公房生誕100年

    生誕100年に合わせて安部公房特集を組んだ雑誌と、文庫の新作小説『砂の女』などで知られ、海外でも高く評価された作家で劇作家の安部公房(1924~93年)。生誕100年の節目となる今年は読書会などのイベントも盛況で、関連書籍の刊行も相次ぐ。伝統的リアリズムを脱するシュール(超現実的)な作風で、「前衛的」「無国籍的」とも称されてきた不条理文学の今日性に光が当たっている。 30人集い読書会「細部は非常にリアルなのに、全体を見ると非現実的なのが面白い」「『逃げられない恐怖』を強く感じた」…。3月末、安部公房が30代半ばからの日々を過ごした東京都調布市。京王線仙川駅近くのコミュニティースペースに約30人が集い、『砂の女』を読んだ感想を語り合っていた。有志らでつくる「仙川安部公房生誕100周年祭実行委員会」が開いた読書会の一コマだ。

    自由社会で人はなぜ不自由を選ぶ? SNS先取りする不条理世界 安部公房生誕100年
  • <主張>定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい 社説

    歴史の玉手箱がまた一つ開いた。 小倉百人一首の選者とされ、鎌倉時代を代表する歌人、藤原定家の自筆が子孫である京都市の冷泉家で見つかった。 失われたと考えられていた古今和歌集の注釈書「顕注密勘(けんちゅうみっかん)」だ。写が重要文化財に指定されているが、原だけに、研究者は「国宝級」と評価する。 和歌は日文化の源泉の一つといえる。今後の研究成果に期待したい。発見されたのは上中下の3冊で、中と下の2冊が定家の自筆原と確認された。上は後の当主による写で、原は火災で失われたらしい。 和歌の奥義を伝えるという特別な「古今伝授箱」に収められ、蔵の中で明治期以来約130年間、開けられなかったという。歴代当主は一生に一度開けて書写するなど、研究を重ね研鑽(けんさん)を積んできたそうだ。 内容は、歌学者の顕昭による注釈に、定家が自説を付け加えたものである。現代に至るまで和歌研究のみならず、国文学

    <主張>定家の原本発見 文化の神髄深く究めたい 社説
  • 補いあい、競い合う「結合双生児」精神のドラマ 医師作家・朝比奈秋がつむぐ新作の衝撃

    文芸誌「新潮」「群像」「文学界」の5月号(右から)昨年三島由紀夫賞を受けた朝比奈秋が、新しい小説「サンショウウオの四十九日」を「新潮」5月号に発表した。「結合双生児」として生まれた20代の姉妹を描いた物語には、医師でもある朝比奈らしい問題意識がにじむ。誰もが無縁ではいられない精神と肉体をめぐるドラマが展開されている。 ◇ 特殊な状況を描いているのに、妙に生々しくて、自分事のように激しく心を揺さぶられる小説がある。英国のノーベル賞作家、カズオ・イシグロの名編『わたしを離さないで』はその典型かもしれない。

    補いあい、競い合う「結合双生児」精神のドラマ 医師作家・朝比奈秋がつむぐ新作の衝撃
  • 街の書店が生き残る〝秘訣〟 ユニークな棚づくり、ポップ代わりにX、地域需要見極め…

    書店が苦境に立たされている。娯楽の多様化やインターネット通販の伸長、電子書籍の一般化などを背景に店舗数は減少を続け、日出版インフラセンターの調べでは、平成16年度に全国で1万9920店あった書店は、令和5年度には1万927店まで減った。〝知の集積地〟ともいえる書店をいかに残していくか―。都内で長らく営業を続け、文化的基盤として地域を支える「非チェーン系」書店に、現状と生き残りの秘訣(ひけつ)を聞いた。 〝ニッチ〟で差別化の街として知られる神田神保町。1890(明治23)年創業の老舗、東京堂書店は、3フロアの売り場に幅広いジャンルの書籍がそろい、特に人文書や文芸書のラインアップには定評がある中型店だ。 注力するのは、細かな需要を拾い上げること。各ジャンルで担当者が分かれているが、それぞれが出版社や著者と独自に交渉し、発行部数の少ないものでも必要であれば仕入れることを重要視している。「その

    街の書店が生き残る〝秘訣〟 ユニークな棚づくり、ポップ代わりにX、地域需要見極め…
  • <正論>全集の読破は大学の卒業に優る 東京大学名誉教授・平川祐弘

    平川祐弘氏佐伯彰一氏が旧制富山高校の学生だった時、確か小林秀雄だと思うが新鋭の評論家が富山に来た。文芸講演の後、宿まで行って話を聞くと「作家の全集を読破すれば文学部卒業以上の実力がつく」と言われた由だ。これはまさにその通りで、人間の自己教育の尊さを示唆している。 私も新入生に忠告したい。講義などつまらない。自分で読むことが肝心だ。では私が読んだ作家は何人か。漱石、鷗外、ハーンは作品も手紙も八割方読んだ。この折に、三人の手紙に人間の生死を観察したい。 死を前にしたユーモア

    <正論>全集の読破は大学の卒業に優る 東京大学名誉教授・平川祐弘
  • 『細雪』はなぜ英題で『The Makioka Sisters』に? 翻訳の深層に迫る

    言葉の可能性を追究する文学作品は翻訳も一筋縄ではいかない。海外で「ビッグ・スリー」と称された谷崎潤一郎、川端康成、三島由紀夫の名作も英訳の際にはさまざまな改変や省略を施されてきた。日英語圏の間にどんな「壁」があり、訳者や編集者はどう乗り越えようとしたのか。国際日文化研究センター准教授の片岡真伊さん(36)が著書『日小説の翻訳にまつわる特異な問題』(中公選書)で深層に迫っている。 次は東アジア高校卒業後に渡英し、日文学に英訳で接した片岡さん。ノーベル賞作家、大江健三郎さんがシンポジウムで発したある一言を知ったのが書の研究に取り組むきっかけになった。

    『細雪』はなぜ英題で『The Makioka Sisters』に? 翻訳の深層に迫る
  • 昭憲皇太后が「大礼服」に込めた近代化への思い 崩御110年、修復終え明治神宮で初展示

    明治天皇の后(きさき)、昭憲皇太后の崩御から110年を迎える今月、その事績を改めて振り返る催しが明治神宮(東京都渋谷区)で開催される。6日から始まる展覧会では、昭憲皇太后が着用し、昨年、修復が完了した「大礼服(たいれいふく)」を東京で初めて展示。5年に及んだ修復プロジェクトの集大成となるシンポジウムも開催予定で、関係者は「日の近代化に尽力した昭憲皇太后の思いを感じてもらえたら」と話している。 現存最古のドレスバラの花や葉の文様に沿い、金属製のモール糸で施された立体的な刺繍(ししゅう)。華麗な長さ約3・5メートルのトレーン(引き裾)の先には、小柄な体に強い意志を携えた女性の姿が浮かぶ-。 明治期、近代化の中で宮中改革を牽引(けんいん)し、皇后として初めて洋装を取り入れたことで知られる昭憲皇太后の貴重なドレスが6日から、明治神宮ミュージアムの展覧会「受け継がれし明治のドレス」でお披露目される

    昭憲皇太后が「大礼服」に込めた近代化への思い 崩御110年、修復終え明治神宮で初展示
  • 中南米が「ドラゴンボール」に熱狂する意外な理由 「孫悟空は英雄」鳥山明さん追悼広がる 国際情勢分析

    10日、アルゼンチンのブエノスアイレスで鳥山明さんを追悼するため集結した現地の「ドラゴンボール」ファン(ロイター)漫画家の鳥山明さんの急逝を悼む声は世界各地に広がった。とりわけ中南米諸国では、代表作の1つ「ドラゴンボール」が高い人気を得ていたとされ、政界やスポーツ界からの追悼表明も相次いだ。主人公の孫悟空が「英雄」(米紙ワシントン・ポスト)ともいわれるほどの熱狂ぶりだが、何が中南米の人々を魅了してきたのか-。 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでは10日、鳥山さんの死去が8日に発表されたことを受け、追悼集会が開かれた。集まった数千人は「アキラ!」などと名前を合唱。ロイター通信は、悟空などの「ドラゴンボール」の人気キャラクターにふんしたファンの写真を配信し、「さよなら、悟空!」と報じた。 政界・スポーツ界から相次いだ哀悼

    中南米が「ドラゴンボール」に熱狂する意外な理由 「孫悟空は英雄」鳥山明さん追悼広がる 国際情勢分析
  • 「1ツイート」で広がる可能性 音楽とソーシャルメディアの実験を続けたい 坂本龍一 アーカイブ「いま、僕が思うこと」①

    現在システムメンテナンス中です 会員記事の閲覧など一部サービスがご利用できません。 ご迷惑をおかけしますがご理解のほどよろしくお願いいたします。 2月27日(日)午前5時頃まで サービス再開時間が前後する場合があります。 →詳細へ

    「1ツイート」で広がる可能性 音楽とソーシャルメディアの実験を続けたい 坂本龍一 アーカイブ「いま、僕が思うこと」①
  • 元競走馬と孤独な40代女性の切実な巡り会い 人気作家・川村元気が問う「生の実感」

    「新潮」「すばる」「群像」の4月号川村元気は、映画の企画・プロデューサーとして「君の名は。」などの製作に携わってきたヒットメーカーだ。一方で、海外で翻訳出版されたベストセラー小説『世界からが消えたなら』をはじめ、近年は作家としての仕事も充実している。発売中の「新潮」4月号に発表した新作のタイトルは「私の馬」。読み始めたら、孤独な女性の悲痛な歩みにどんどんひき込まれていった。 ◇ 国道沿いにチェーンのスーパーやホームセンター、中古車販売店などが並ぶ。全国各地でよく目にするこうした風景は平穏な日常の象徴ではあるけれど、あまりの均一さゆえに閉塞感も呼び起こす。川村元気「私の馬」(新潮)もそんな景色をバックに展開する。映画の企画・プロデュースでも活躍する作家らしい映像的な描写と巧みな構成力で、人間のはかない夢を描いた秀作だった。

    元競走馬と孤独な40代女性の切実な巡り会い 人気作家・川村元気が問う「生の実感」
  • <正論>日本人にとって富士山とは何か  東京大学名誉教授・平川祐弘

    東京大学名誉教授の平川祐弘氏人格形成人格主義とか教養主義とかが、大正デモクラシー以後の日の高等教育界には深く浸透していた。若者に、自己による自己形成が説かれたのである。戦後、旧制高校に入学してその伝統に接し、新鮮な感じで実に嬉(うれ)しかった。自我の確立を説く河合栄治郎を私は愛読した。安倍能成(よししげ)、天野貞祐など戦中・戦後の一高校長の訓辞は皇国主義教育とはまるで違う。「人格のピラミッドを形成せよ」と言われた時は、同感しつつも、「ピラミッドよりも富士山のような人格がいいな」とつぶやいた。 敗戦直後、夕刻に学校から帰る道すがら、一面の焼跡の彼方(かなた)に富士山が見えた。日は負けても滅びず続いていく。そう感じた。ただ中学生で敗戦を体験した私は、旧来の皇国至上主義では駄目だ、自分は二足の一は日に据えるが、他の一は外国に据えたい、と思った。日人であるだけでは不十分だ、「日より

    <正論>日本人にとって富士山とは何か  東京大学名誉教授・平川祐弘