厚生労働省の年金部会が、5年に1度の年金制度改革案を示した。だが、焦点である基礎年金(国民年金)の給付水準を底上げする改革を巡っては結論を出せなかった。最終的な決着は来年の政府与党と野党などとの調整に委ねられた。 厚労省は部会に対し、全国民が受給する基礎年金を底上げする財源として、会社員らが拠出する厚生年金の積立金を重点的に充てることを提案していた。これに対し、経団連や連合などが反発しまとまらなかった。 基礎年金の底上げは、若者らの将来不安への対応策だ。その財源を主に厚生年金の積立金から充てるには、会社員や事業者の理解が欠かせない。 説明努力が欠けている年金は全国民の関心事である。年明けの調整では、石破茂首相が指導力を発揮しなければならない。首相や福岡資麿厚労相は分かりやすい発信にも努めるべきだ。 政府は来年の通常国会への年金改革関連法案の提出を目指している。基礎年金の改革が必要なのは、こ
